人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

D.Dを探せ!!

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確かに、そう長い道のりではなかったが。

買い物に行くのに、車を出したのだ。

近所のスーパーなら自転車の方が小回りがきいていいのだが、ちょっと離れた100均だ。荷物も多くなると予想された。

何度も行っているので運転には不安はなかった。

エアコンをガンガンに効かせて、きらめく太陽の下、なにかステキな音楽でもかけながら車を流そうじゃないか。

カーステが壊れている話は先日書いたが、辛うじてカセットテープとラジオだけは聴けるので、先日、車に乗る時にカセットを巾着袋に入れて数本、持ち込んであった。

すでに前回、聴きかけていたものが入れっぱなしになっていたので、とりあえずそれをかける。

サイドブレーキを下ろし、ギアを1速に入れる。

カセットテープだ、古いものである。

20年近く前に、友人が選曲して録ってくれたスペシャルオムニバスだ。

彼女は古いクラシックな洋楽を愛していたようで、私の知らない曲もチラホラと入っていた。

しかし、今日かかったのは最後の1曲だったようで、すぐに終わってしまった。

早送りしてテープをA面の頭にし、そのテープを取り出す。

沈黙。

カセットの入った巾着袋は、後ろの座席の上であった。

信号待ちでサイドブレーキを引き、ギアをニュートラルにして、クラッチもブレーキも離す。

文字にすると簡単だが、私にとってこの「ギアをニュートラルにして、クラッチもブレーキも離す」という作業は恐怖で、極力踏ん張ってクラッチもブレーキを踏み続けるようにしている。

一度、1速に入れたままクラッチを離してしまい、ガックンガックンとノッキングした過去がトラウマになっているのだ。

今回も、嫌というほどギアを左右に振ってニュートラルに入っているのを確認した上、ゆっくりとクラッチから離すようにした。それでも怖かった。

頑張った甲斐があり、私は体をよじって後ろの座席からカセットの入った巾着袋の取る事に成功した。

しかしそこで信号が変わったので、続きは次の信号待ちである。沈黙。

チャンスは意外と早くやってきたが、カセットを選ぶのに手間取ってしまった。

「今はこういう気分ではない」というものはパス。

田舎の信号待ちは短いのだ、選り好みしている場合じゃないのだが、どうしてもこういう妥協ができないのがぽ子なのである。

これは違う、これでもない、どうやらカセットを選んだ日の気分は、今日の気分とは違ったらしい。

お、デュラン・デュランのウェディング・アルバム、これがいいか。

それを取り出したら、信号は青に。

うーん、短いEE:AEB64

沈黙。

しかし、神は私を見捨てない。すぐに信号は赤で引っかかった。

引っかかったが、もう青になりそうである。

急いでカセットをケースから出し、カーステに突っ込・・・、もうとした時に一瞬見えたインデックスの文字は、「The Best Of 60's」であった。

ちっ、違うッ、激しく違う!!そのような気分ではない!!

カセットを取り出したところで青に。沈黙。

やがて次のチャンスがやってくる。

もうケースに戻すのももどかしい。デュラン・デュランはどこへ行った!?

ない、ない、ない。

助手席にはすでに、全てのカセットがぶちまけられている。

あ。

1本だけ、ドリンクホルダーに入っていた。

これじゃん、ちゃんと分かるように入れてあるじゃん。

信号変わっちゃうよ、急げ!!

・・・EE:AE4E6EE:AE4E6EE:AE4E6

車はもう走り出していたが、流れているのはスティービー・ワンダーの「Isn't She Lovely」であった。

名曲だがこれは、前回聴いたばかりの曲である。

このカセットはさっき取り出した、スペシャル・オムニバスであった。

信号待ちまで待てんEE:AE4E5

前方とカーステを交互に見ながらカセットを巻き戻し、取り出すところまではできた。

あぁ、100均が見えてきた。

しかし軽く渋滞している。

デュラン・デュランを探せ!ハハ、形同じだし、ウォーリーを探せ!ほどの難易度である。

やっと見つけて聴こうと思ったら、カセットはちょうど片面の半分聴いたぐらいの状態になっていた。

つまり、これを最初から聴くには、巻き戻さなくてはならないのである、アナログの馬鹿野郎。

到着。

何も聴けなかったEE:AEB64

100均の駐車場で私は、助手席に散らばったカセットを巾着袋に戻し、デュラン・デュランのカセットだけを、ケースから出した状態で目立つように置いた。

テンションすっかりが下がってしまい、なにか他の曲が聴きたくなった。