前回「ウィーンの密使」を読んで、果たしてベルばらではこの人物はどう描かれていたっけ?と気になったところから読み返したのだ。
マンガだし軽い気持ちだったのでこではUPしないつもりだったのだが、いやぁ感動した。
今さらだが、紹介させて欲しい。
後にフランス王妃となるマリー・アントワネット、その恋人のフェルゼン、アントワネットに忠誠を誓い守り続けるオスカルの3人の誕生から物語は始まる。
女に生まれながらも軍人として育てられたオスカルは架空の人物だが、この男装の麗人が魅力的で、女性の読者のハートを掴んだものである。
そう、内容はフィクションを交えた歴史モノだが、まるで宝塚のような煌びやかな世界は多くの女性ファンを捕らえたのである。
今読んでもとても魅力的な作品だが、芝居ががった場面が多く(「ゆるしたまえ・・、地上において結ばれず天においても結ばれるはずのない愛を選ばんとす我を哀れみたまえ・・・、愛し愛し愛しぬいてついに愚かしい罪のうちに滅びてゆく我を哀れみたまえ・・・」ってか!?笑)、あまり男性には好まれないだろう。
今や知らない人はいないだろう、フランス革命を描いた作品である。
1972~1973年の作品との事だが、当時小学生だった私には難しく、歴史的な部分よりも恋愛の部分を読んでいた感じであった。
そして今まで何度も繰り返し読んできたが、少しずつ読み方は変わっていき、だんだん歴史の部分も楽しめるようになってきたのだ。
読むたびに違う感動がある。
とにかく壮大なドラマだ。
革命、恋愛、思想、どの場面でもオスカルが上手い具合に絡み合い、ときめきっぱなしである。
女として生きる道を断たれ、それ故に苦しむオスカル。
一国の王妃、最後には国民の憎悪の的となる人間を愛してしまったフェルゼン。
あまりにも無邪気だったために、自分のした事を省みれなかったアントワネット。
3人の悲劇の物語だ。
不朽の名作である。
ぽ子のオススメ度 ★★★★★(女性限定・笑)
「ベルサイユのばら」池田理代子
集英社文庫 ¥600
ウチにあるのと表紙が違うんだけど・・・。