ぽ子、無事帰る。
ベロベロに酔ったダンナを支えながら帰り、娘ぶー子のゲームの相手をし、ソファで少し眠ったらこうしてパソコンに向かったのだ。
こんな事は40年生きてきて初めてである。
「奇跡」と言ったら言い過ぎだろうか?
小学生の計算ドリルぐらいならできそうな気がする。答えが合っているかは別だが。
ところで不思議な事がふたつばかり起こった。
ひとつは寝ていたダンナが突然起き上がり、ぶー子が見ていた「アルマゲドン」を消してしまった事。
私はソファでウトウトしていたが、ぶー子は背筋を伸ばしてエルを抱き、クライマックスに見入っていたのだ。
それをなぜ消してしまったのかは分からない。
「ちょっと何やってんの!!」
ダンナの訳の分からない行動に、怒る事も忘れてそのまま疑問文のぶー子。
「あれ?見てたの?」どう見たって見てるだろ。
「どうでもいいから早くつけるでしょ!!」突然クライマックスを奪われたぶー子だが、ダンナの行動が謎過ぎて怒る事すら出来ずにいた。
セーターに黒いパンツ姿のダンナ、もう一度テレビをつけるとすごすごと寝室に戻っていった。
もうひとつの謎はもっと謎である。
階段の1ヶ所が水浸しだったのだ。
リビングを出てトイレに行こうと思ったら、何か冷たいものを踏んだ。水である。
洗面器1杯分ほどあっただろうか。
訳が分からずぞうきんで拭いたが、もしかして酔っ払ったダンナのおしっことかそんな事はなかったのか?
もちろん酔っていたのは私も一緒だから私のおしっこかもしれないが。
いやぁ、それにしても今日は優秀であった。
勝因はビールしか飲まなかった事だろう。
一眠りしてすっかり酔いも覚めた。
英語のドリルなら中学校ぐらいのヤツでもいけそうである。
暇だが何もやる気がしない。
酒あっての休日なのだ。
酒なしでは過ごし方すらわからないのであった。