人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

ITC、イオンモールに現る。

食い放題に行く予定であった。娘ぶー子はそのために仕事の休みをとったのである。二日酔いでいつまでも寝ている訳にはいかない。

これでもコントロールしたつもりだったのだが。寝た時の記憶がない。

家で普通に飲んだだけなのだが。

なので、通常の土曜日と何ら代わりのない目覚めであった。

昼に「いい加減に起きろ」とぶー子が起こしにくる。

ウッ、頭痛い、動けん。喉が渇いた。気持ち悪い。

「ジュースとナロンエースを・・・。」

食い放題か・・・EE:AE4E6

レモンジュースとナロンエースを持って再び現れたぶー子は、「起きろ」「起きろ」と私を煽る。

動けんEE:AEB64助けてくれ。

あんたの手助けで私は助かる、そして速やかに家を出れるのである、悪い話じゃないだろう。

「洋服を適当に選んで出してEE:AE595」もう服を出す気力も選ぶ気力もない。

何でもいいからその辺にあるので、と言おうと思って思い出した。

今日行く店は、先週行ったイオンモールである。スッピンで中学校時代の同級生にバッタリ会ってしまったが、彼女は「ここに来ると誰かしらに会う」と言っていたのだ、手は抜けない。

「・・・先週のことがあるので、抜かりない服を選んでください。」私は言い直す。

ところでぶー子は他人の着せ替えは好きなので、こういう時は頑張ってくれるのが有難い。

私の服ではダメだと判断し、自分の手持ちから誇らしげに「ホラ、こういうのを着なさい!!」と下着からジャケットまで一式持ってきたのであった。

「え??これも??」ストラップの部分がレースの、ゴージャスなブラジャーである。フロントホック。

「すげー盛れるから。ぶっちゃけキツくて入らなかったEE:AE5B1おかんが入るならあげるよ。」

娘が入らなかったブラが入るというのも屈辱的だが、ぶー子の読みはあたり、入ってしまった。

しかしぶー子の言う通り、どこをどうしてこうなるのかは分からないが、私の胸はふた周りほど大きくなり、見たことのないような谷間ができた。ただし、アンダーがむちゃくちゃキツいEE:AEB64

ここにクールなTシャツと黒のジャケット、足が細く見えるスキニーのパンツ。このままライブに出れそうだ。これならイオンモールで誰に会ってもいいぞ。

最後にヒールの高いパンプスを履かされ、できあがりだ。

「もうこうなったらいっそ誰かに会いたい。」と言うと、「そのTシャツ、『BITCH』って書いてあるからね。」。ビッチ。まぁいい、ジャケットで頭のBと最後のHは隠れている。『・バズ・』みたいなものだ。

上から見た胸の景色がいつもと違う。

「見て、この胸。」とぶー子に向き直ると「ああっ!!」とぶー子は小さな悲鳴を上げた。

ぶー子の、まだ彼女自身一度も着ていないというそのTシャツには、私が咳き込んだ時に飛び出したと思われる痰がはり付いていた。

ハハハ、一応病人だから。二日酔いだし。

痰だけではない、鼻をかみかみ食べ放題で食べまくった。

コンディションが悪いので、合唱団の練習はお休みにした。

家に帰ったら寝て、起きたらもう夜である。

また食べている。