人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

新たな不安

どうしてこう、心配事を探し出してしまうのだろう?

マイナス思考だからか、何でも悪いほうに考えてしまう。

後で取り返しがつかなくなるのが怖いのだ。

何だって早いうちに見つけ出して対処するに越したことはないだろうが。

2日ぶりにエルの面会だ。

今日は触る気満々であった。

別に触るなと言われた訳ではないのだ。

これまでは酸素室から出せないので、触れなかったのだ。

だから「ふれあいくん 1号」(http://navy.ap.teacup.com/hy-dr/629.html)を作ったのだ。

触るぞ。

「変わった事、ありませんでしたか?」ここでもまず、軽く挨拶代わりに先生に声を掛ける。

「変わってないことはないですよ。」え?

「良くなってると思います。」え!!

これまでは「特に変わってない」というのが一番いい状態だったのだ。

その上があったのか。

「今もネブライザーの治療をしていたのですが、」

ネブライザーとは、肺だか気管支だかの治療で、薬品を気化して吸わせるのだ。

そのため、その薬の充満したケースにエルを移す。

一応一緒に酸素も入れているようだが、前回は治療後にやはりグッタリしてしまった。すぐ戻ったが。

「でももう落ち着いていますよ。ほら、こうやって毛づくろいもするようになって・・・。」

ネブライザーの後とは思えない。

片足を上げて、その足を舐めているのだ。

何たる疲れそうなポーズ。何と猫っぽいことよ。

確かに回復してきている。よく、ここまで・・・(泣)

先生がいなくなると、「さて、と。」

ふれあいくんの手を入れる部分を止めている輪ゴムを外しにかかる。

当たり前のように私が先に手を入れる。

・・・。

驚いて思わず手を引っ込めてしまった。

ガリッガリに痩せているのだ。毛もバサバサだ。

この手触りはどこかで感じたことがある。

この後も気になってずっと考えていたが、それは野良猫の感触だった。

容態が悪くなってきても、ご飯だけはゆっくり時間かけて食べていたのに

どうしてこんなに痩せているのだろう?

かわいそうだ・・・。

のびのびと幸せに生活できたのは、ほんの数週間しかない。

早く普通の猫として生活させてあげたい。

頬を撫でてやると目を細めてゴロゴロと喉を鳴らした。

焦ってはいけない。

ここまで奇跡的に回復したのだ。

元気になったらタップリタップリ、可愛がってあげればいい。

ここにいれば家にいるより安心なのだ。

ダンナは手を入れるとじゃらし始めた。

ずっと「子猫らしく遊ばせてあげたい。」と言っていたのだ。

早速今日やるとは思っていなかったが。

呼吸が乱れるのではと気が気ではなかったが、エルもごきげんそうに遊んでいるし、そんな姿も本当に久しぶりだ。結局黙って最後まで見ていた。

「良くなっている。」と言うんだから、良くなっているのだろう。

それに比例して体重も増えていくはずだ。

増えていくはずだ。

増えていくはずだ。

それにしても、前のように「ニャー!!」と言って寄ってこなくなった。

どうしてだろう?

寂しいなぁ。

寂しいし不安な面会であった。