「修道女の衣装の参考になるかと思って買ったんだけど・・・。」
貸してくれたのは、合唱団のメンバーだ。
次回の発表会では、修道院のオペラをやるのである。
「修道院、というものが分かった気がします・・・。」
彼女は声を落として言った。
「私には絶対無理・・・。」
監督:フレッド・ジンネマン
キャスト:オードリー・ヘプバーン、ピーター・フィンチ
神に人生を捧げると決心し、家族と別れ、強い意思を持って修道院に入ったガブリエル。
優秀な外科医の娘で看護婦の資格を持った彼女は、僻地での奉仕を夢見ていた。
しかし覚悟をしていたとはいえ、戒律の厳しい修道院生活。
ここでは「夢見ること」すら、罪である。
自我を捨て、自己犠牲の精神で、無心となって神に仕えるのである。
やがて念願かなってコンゴでの看護生活が始まるが、そこで出会う無神論者の医師・フォルテュナティは、ガブリエルの心を揺さぶる。
「あんたは他の修道女とは違う。このまま修道院に戻って一生戒律を守り続けられるのか?」
揺れる心と戦うガブリエル。そのたびに、罪の意識に苛まされるのだ。
やがて、修道院に戻る日がやってくる・・・。
DVDを貸してくれた彼女は、戒律の厳しさとガブリエルの葛藤を見ているのが相当つらかったらしく、精神的に参ってしまった(笑)
なので私も覚悟をして観たのだが、う~~ん、私個人的には「素晴らしい精神」と感動した部分もあり、あまり悲惨な印象は受けなかった。
むしろガブリエル、君はまだ修行が足りんのではないか?という部分が多々。
まぁ戒律の厳しさには閉口したが、自己犠牲の精神は大いに共感する。スケールは違うが、私の目指すところでもある。
自分の欲や虚栄心を捨てれば、犠牲すら喜びになれるのである。
それをなんだガブリエルよ、好きになれない仲間に譲れない、テストの点を下げるのは嫌だと、ちっこいぞ!!
神様は間違ったことをしない、これは自分のためなのだと思っときゃいいのに。
そういうじれったさはあった。
ストーリーとしてはさほどドラマティックではなく、ガブリエルの心の中の葛藤に焦点は絞られている。
なので興味がなければあまり楽しめないかもしれない。
私には面白かった。
映画の内容というか、キリスト教の教えが勉強になったのだ。そういう見方になってしまった(笑)
ガブリエルは敬虔なクリスチャンである。それでもあれだけの葛藤が生まれるのだ。
「一生自分との戦いだ」と院長は言う。
人間とは生まれもって罪深いものなのだろう。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆