人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子57歳。

優しい雨

電車を乗り継いで1時間半。

紹介状を出してもらい、この日が最後の通院日であった。

しかし、雨。

駅までは自転車を使っていたが、長年通って雨だったことはほとんどない。記憶だと、まだ2回目。運が良かったと言っていいだろう。

しかし、雨だ。

膝下まであるカッパを着込み、傘代わりの帽子をかぶる。

カッパも帽子も大した防水の役目はなく、「一枚上に着て2枚目を防いでいる」だけであった。

駅に着いたらこれを脱いで体を拭くことになる。鬱陶しいし、煩わしい。

 

雨の中、自転車をこいでいた。鬱陶しくて煩わしい作業があるので、時間は多めにとってある。いつもはギリギリなのですっ飛ばしていたが、この日は時間に焦る必要はなかった。

信号が変わり道路を横断する時に、向かいから傘をさして歩いてきた年配の女性が、すれ違いざまに何か言うのが聞こえる。

「雨の中、大変ですね。お気をつけて。」

私は自転車だったので、あっという間にすれ違ってしまった。ありがとうございます、と言ってみたがこの声は届いただろうか。

 

変わらない毎日だった。

1時間半刻みの猫の介護。もうすぐこの子を手放さなくてはならない恐怖と背中合わせで、それを直視しないよう、ただただ必死に1時間半を繰り返していた。

そんな中で、ふと届いた小さなエール。

神は見ている。私を見捨てはしない。

そんな気持になる。

 

優しい雨だった。