*下書き保留していたものを、少しずつアップしようと思います。
その後、容態は急激に悪化した。
普通にご飯を食べ、トイレに行き、戻って来てこちらを見上げたので膝に抱いた。珍しく、以前の定位置だったパソコンデスクの上に上り、あの頃のようにその前で私はブログの下書き作業をしていた。
そのままエルの呼吸は荒くなり、グッタリ。酸素マスクに顔を乗せても嫌がらず、なすがまま。
それでも、持ち直すときは持ち直したのだ。しばらく様子を見ていた。変化はない。
酸素室を持って来て入れた。酸素濃度、45。全く良くならない。
あらかじめ調べておいた往診専門の先生を呼んだ。
情報量が多過ぎて頭の中がとっ散らかっているので、箇条書きにする。
・肺転移もあるが、心臓も悪い(心筋症)。
・胸水の量はまだ多くはないが、呼吸困難の原因である可能性があるなら何とかしたい。
・胸水の原因は肺に転移した腫瘍が原因か心臓が原因か、現状では判断できない。
・胸水を抜くには針を刺す胸腔穿刺か、利尿剤を投与するか。元気があり動いているうちの胸腔穿刺は、肺を傷つけるリスクがある。利尿剤は、心臓が原因の胸水なら効果がある。
・利尿剤は腎臓を悪くするリスクがある。
心臓、腎臓、甲状腺、これらはお互いにバランスを取り合っているので、どれかを治療すればどれかが悪くなるという。なので、100点満点を目指さず全部を60点ずつ、というようにバランスをとっていくようになるとのこと。
エルはまだ動けるので胸腔穿刺はやめて、心臓病由来の線に賭けて利尿剤の投与となった。
腎臓が悪くなって来れば、食欲が落ちると言う。
ここまでこの食欲がエルを支えて来たと思うと、断腸の思いだ。
しかし先生曰く、その食欲は甲状腺の病気が悪化しているところから来ている可能性もあると。
最後の検査は、12月だ。胸水の原因が心臓だとすると、甲状腺が悪化している可能性も十分にある。
金曜日診てくれたかかりつけの先生は、「いま甲状腺の治療をすると、他がガクッと悪くなるかもしれない」と言って甲状腺については触れなかったのだ。つまり、今のバランスが崩れるから、ということだったのかもしれない。
往診の先生は、心臓(甲状腺機能亢進症が原因と思われる)の方にアプローチをかけたのだ。
胸水の原因が肺の腫瘍だった場合あまり効果は期待できないみたいだが、胸腔穿刺など私も怖い。
幸い胸水の量自体は、まだそんなに深刻な量ではないそうだ。色々試す猶予はあるだろう。
方向性は決まった。
そして、これから家ではどうしてくのか。具体的には酸素室との付き合いだ。
これまでエルは嫌がって酸素室から出たがったが、今日は大人しく入っている。つまり、悲しいがそういうことだ。
それでも、これまで酸素室を出ても安定してきたのだ。そもそも酸素室の効果をあまり感じられない。全然良くならないじゃないか。今酸素濃度は51%で呼吸数は1分間78だ。これまでもそうだった。ここに入って呼吸数が減ったところを見たことがない。だからエルも、出たがったのだ。
こんな状態でもまだ、酸素室を出ていつものように持ち直す希望が捨てられない。
しかしさすがに今度は苦しそうだ。
それでもご飯は食べている。子猫の時分に肺炎で酸素室に入っていたあの頃と同じように。
今ここから出すことは難しい、と先生は言った。
正直、これまでのように出たがったら出してあげるつもりだった。これまでのように持ち直してくれると思えた。
でも今、もうそれは無理だと私も納得した。あれからずっとエルは、酸素室の中でグッタリしている。
それでも私の気配を感じると、スッと顔を上げる。
あの爛々とした瞳で私をじっと見る。そして呼吸が乱れる。
興奮させてはいけない。姿を見せるのも控えた方がいいのか。
もうこれが最期の時になるのなら、この風景を、私を見ていて欲しい。
それも私のエゴになるのだろうか・・・。
