今週のお題「ケガの思い出」
自分自身のケガについてはすでにほぼ書いているように思うので、旅行先で娘ぶー子がケガをした時のことなど。
いや、大変だった。日本じゃなかったので。
もう25年ほども前のことだ。旅行好きの父と私たち家族で、イタリアに行った時のこと。
旅行会社のツアーを嫌う父は、全て自分でプランを立て、宿泊の予約なども行った先の出たとこ勝負であった。
大きなホテルに泊まることは稀で、町の小さな宿が多かった。どこも温かみのある宿で、それはそれで満足度は高く、いい思い出だ。
その宿は、教会の中にあったのだ。教会の内部を改造して宿泊施設にしたようである。
天井の低い暗い通路を通りつつ不気味なものを感じていたが、扉を開けるとカラフルでポップな部屋が現れ、思わず歓声が上がった。
荷物を下ろし、一人ずつ交代でシャワーを浴びることにする。
当時ぶー子は、小学1、2年生ぐらいだったと思う。私は彼女を置いてシャワーを浴びていた。・・・と、突然ぶー子の鳴き声が聞こえて来たのである。
飛び出していくと、ぶー子は指を切って泣いていた。
私の洗面用具をいじっていたらしく、その中のカミソリのキャップが外れていたようで、指の先を少しばかり切り落としてしまったのだった。
これは大変だ。少しばかりとは言え、バンドエイドでどう、という傷ではない。
「病院へ行く。」
今思うと、よぅそんな勇気があったな。私はイタリア語など全くできないし、英語だって義務教育の年齢なりだ。
私はぶー子を連れて部屋を出て、フロントの若い女性に病院の場所を聞いた。身振り手振りと片言でも、意外と何とかなるものである。
女性は教会を飛び出し、仁王立ちになって大きく腕を振った。「あっち!!」
病院への道のりは、覚えていない。歩いて行ったように思う。
診察室では、「イタリア語の出来ない日本人」と、「英語を喋らないイタリア人」との会話である。困難を極めたが、傷は見ての通りだ。そんなに厄介なものではなかったので、手当自体は問題なく済んだ。
しかし途中で「ティタヌス」と連呼され、そのティタヌスが分からず、結局分からぬまま帰って来たのだ。この「ティタヌス」がずっと気になっていた。
当時はパソコンもインターネットもなかった。人に聞いても分からず、そのまま私も忘れてしまっていた。
今なら分かるじゃないかw
スマホで調べてみたら、「破傷風」であった。破傷風に気を付けろ、ということだったのだろうか。
帰国時に空港でなんちゃらするように言われた記憶がある。なんちゃらしたのかも思い出せない。まぁその後傷は大事に至らず、自然に治ったのだった。
旅の後半の写真のぶー子は、指にマンガみたいな大きな包帯を巻いている。
時間が経つことでいい思い出に変わる類のものではない。