人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子57歳。

エル、乳腺腫瘍<30>

*下書き保留していたものを、少しずつアップしようと思います。

 

 

 

皮肉なことに、吐き気止めが効果を見せたのか、食欲が少し戻った。アジフライと揚げイワシを食べた。

やはり食べるとその分体力が戻るのか、少しばかり元気になったように見えてしまう。こうなると、吐き気止めの何が悪い、という気持ちになってしまうのだ。

これは延命ではなく、苦痛の緩和ではないのか。

しかしそれなら、点滴だって苦痛の緩和だ。もうボーダーなんて人それぞれ、あってないようなもの。決めたのだ。私はエルをこのまま見守る。

 

結局エルは、夜にアジフライを食べたのを最後に、また食べなくなってしまった。もう、食べ物を見せるだけで逃げてしまうようになってしまった。いい加減私も諦めなくては。

 

そして昨夜は、おかしな夜だったのだ。

これまでエルは、トイレに行く以外はただただ眠っているだけだったのだ。ところが昨夜は、布団に出たり入ったりと落ち着きがなく、寝る気配もない。

目が合うとこちらにズンズンやって来て、喉を鳴らしながら布団に入る。すこぶるご機嫌だ。ところがすぐに布団から出てしまう。

今度は隣で横になるが、顔を起こして、眠る気配がない。

眠れないのだろうか?苦痛がある?

一見、そんな風には見えない。呼吸も落ち着いているし、表情もいい。とてもいいと言ってもいい。その顔で甘えるようにじっと見つめ、何度もやってくるのである。

朝までその繰り返しだった。ほとんど寝てないのではないか。

 

朝になり、エルも起きていて機嫌もいいので、「良かったら出勤前に寄って」とダンナにLINE。

エルは元気だったころと同じように、ダンナが現れるとヒョコヒョコとそちらに向かった。そして喉を鳴らしてひと通り甘え、離れようとしない。

「全く普通。病気に見えない。」ダンナが戸惑ったように言う。

仕事に行かなくてはならないのでダンナが寝室を出ようとすると、後追いをして名残惜しそうに立ち尽くすエル。妬けるが私もツライ。

    

さて、その後のエルは、爆睡モードに入った。まぁいつも通りというか。

しかし、拒食、不眠、甘え(エンジェルタイム!?)と一連の状況を経てからだと、不安しかない。

起こさないよう寝室に寝かせているが、息をしているか何度も見に行っている。

気配で目を覚ますと、ウーン、と伸びなどして状態は良さそうである。シュークリームを少しばかり食べた。もう未練は断ち切ろうと、冷蔵庫に溜まっていたエルのご飯を処分したあとのことだ。まだ希望はあるのか。

 

エルのそばにいたいこともあるが、私ももう連日の寝不足でフラフラだ。今日はもう、寝室で過ごそうと思う。パジャマも着替えないぞ。