*下書き保留していたものを、少しずつアップしようと思います。
長い一日だった。決意の時だ。
エルの食欲はみるみる落ち、ただただ寝ているばかり。
シュークリームも食べない。
一度、鶏挽肉のゆで汁を結構たっぷり飲んでくれたが、寝る前に合いびき肉とアジフライをちょっと食べたのが最後となった。
夜の投薬。
もう食べられないようなので、チーズボールも肉まんボールもダメだ。喉に直接放り込んだが、その後エルの呼吸が悪化してしまった。
まるで走った後のような、肩でする早い呼吸。
私は焦った。
これは一時的なものなのか、肺転移の影響なのか。後者なら、早急に酸素室が必要だ。私はその場で調べまくった。
SNSで細かく教えてくれた人がいたが、そこの会社だと到着まで早くても一日かかってしまう。早急だ。とにかく早いところを探す。
寝る頃になると、呼吸は落ち着いた。一時的なものだったのか。投薬でストレスをかけてしまったか。
少量ながら寝る前に少し食べたのが良かったのか(先に書いた、挽肉とアジフライだ)、表情はいい。
いつものように布団に入り、喉を鳴らした。
朝までに何度も食べものを口に運んでみたが、一口も食べなかった。そして、2回、胃液のようなものを吐いた。
吐き気止めを飲ませるべきか。いや、もう無理だ。負担が大きすぎる。
自分で決めていたことだったはずだ。自然に任せる、と。
エルが食べないと決めたのだ。それに従う。
投薬も全部やめる。
状態を見て、服も脱がせてやろうと思う。
いよいよ、看取りだ。
何だかんだ頑張ってくれたので、どこかでまだ期待していた。諦めがつかなかった。
これからエルは、どんどん弱っていくだろう。それでも、素人目には肺癌の苦しみがまだ及んでいるようには見えない。
これは、救いだ。肺癌に襲われる前に、送り出してあげなくては。
「今だけを見る」。
エルは、今、穏やかだ。神様は、まだ願いを聞いてくれている。まだ何も、怖れるようなことにはなっていないのだ。
穏やかな今を大切にしたいのに、泣けて泣けて仕方がない。
これから嫌でも、泣ける展開になるだろうに。
