人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子57歳。

エル、乳腺腫瘍<14>

*下書き保留していたものを、少しずつアップしようと思います。

 

吐き気止めの薬の服用は、1日1回。と言うことは、効果も1日程度あるのだろう。丸一日が過ぎてもエルの食欲は安定していて、体調もご機嫌も良さそうだ。

もしかしたら、食べないのはほんの一時的なことだったのかもしれない。だったらこの体調がしばらく続くだろう。

しかしそう甘くはなかった。

夜になるにつれ食いつきは悪くなり、結局また「匂いは嗅いでプイッ」に戻ってしまった。

まぁ吐き気止めで食い繋げられるのなら、しばらく猶予はある。またチーズに仕込んで飲ませる。

 

しかし今度は、効かなかった。

 

食欲戻らぬまま寝ることになったが、エルはなかなか寝なかった。

ベッドの上をウロウロし、落ち着かない。

心配なので電気をつけたまま私も起きていたが、早朝、エルはベッドを下りてトイレに行った。

まだそんな力があることに、少し安心する。

エルは自力でベッドに乗り、左側の定位置に戻って来た。

やはりエルは寝ようとせず、私の顔の横に「お座り」をした。そして片手でチョンチョンと私の顔を叩く。これは、「ご飯ちょうだい」の合図である。ええっ!?

急いでクーラーバッグに用意してあった鮭を出す。エルは鬼気迫る勢いで食べきった。

 

どういうことか分からないが、とにかく食べたのだ。

やはり食べるとそれが活力になり、少し元気になる。エルはいつものように腕の中でスヤスヤと眠った。

 

 

祝日だ。

私は家事も放棄してエルと寝ていた。10時にもなれば、ダンナがエルのガーゼを取り替えに来るはずである。

エルは、良く寝ていた。

良く寝てはいたが、つまり食べていないということである。

これまで食べさていた時は、ざっくり1時間~2時間間隔を目安にしていた。

起こしてガーゼを取り替えご飯を出すも、もう食べなくなっていたのだった。

 

吐き気止めは効かなくなった。

辛うじて挽肉のゆで汁を飲んでいる。

薬を仕込んだチーズは喜んで食べた。もう制限は撤廃してあげる時なのか。

残り時間は分からないのだ。

ガンの成長がエルの余命よりも早かったら、エルにガンの苦しみを与えることになってしまう。

しかしその逆なら、もう好きなものだけをあげる時期なのだろうか。