人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子57歳。

エル、乳腺腫瘍<13>

*下書き保留していたものを、少しずつアップしようと思います。

 

エル、食欲振るわず、こっちも参っていた。

病院から食欲増進剤と吐き気止めを貰ってきたのだ。

食べたい気持ちはありそうに見える。それなのに食べられない理由が分からない。

食欲増進剤はこれまでにも何度も使って来たが、無い食欲を掻き立てさせるのは酷だ。まず先に、吐き気の可能性を消そう。

 

これまで薬はご飯に混ぜて来たが、臭いか食感か、察知してご飯そのものを食べなくなってしまったのだ。

ネットで散々調べたが、やはり確実なのは直接飲ませる方法だった。たくさん動画も上がっていたが、「そう簡単にはいかねーんだよ!!」という心境である。

しかしこれだけたくさん、「できます!」「できました!」という話を目にすると、「できるんじゃないか?」という気がしてきた。

コツを徹底的に研究してから挑むことにする。

 

実は「直接口に」は、やっていた時期もあったのだ。

しかし上手くできず、噛まれることで無理矢理飲ませていたのだ。猫、人間、共に負担があった。

徹底的に調べてみると、しっかりとした「コツ」が浮かび上がって来た。

①ひざ掛けや大きなタオルで、首から下を包む。

②後方から左右の頬骨を掴んで、真上を向かせる。

③反対の手で薬を持ったまま、空いている指で口をこじ開ける。

④上から薬を喉元に落とす。→改訂:喉の奥まで指で押し込む。

⑤上を向かせたまま口を閉じ、飲み込むことを確認。→改訂:すかさずご飯。

⑥喉に張り付いていることがあるので、ダメ押し吸水。→改訂:水はご飯を食べない時。

 

私は片手で口をこじ開けて、反対の手で薬を喉元まで押し込んでいた。

抵抗凄まじく、失敗率も低くはない。

このコツもすぐには上手くはいかなかったが、それでもできそうな感触があった。

最近やっと慣れて来たところで、確かにこれは確実であることを実感している。

もちろん、エルに負担はある。ひざ掛けを出すと逃げる。まぁひざ掛けを巻いてしまえば身動きはできなくなるのだ。そこをできるだけ、手早く済ませるのである。

やってみで分かったが、これまでは焦り過ぎていた。これではエルも怖かっただろう。

慣れてくると余裕ができ、それが伝わるのかエルの力も抜けてきたように思う。

「手早く」とは言っても、「ゆったり」。無駄な動きはなくして、動作はゆっくり。

②は、やっていくうちに、「頬骨を掴む」というよりも「後ろから口角に指を差し込む」という感じになった。口を開ける助けになる。

③は、口角からこじ開ける派と前歯の隙間からこじ開ける派がいたが、前歯の方がやりやすかった。小指が細くて差し込みやすい。

④。動画では喉に落ちたところがしっかり見え、「こんなの無理では?」と思ったが、しっかり口を開けさせること、薬を指で押し込まずに「落とす」こと、で出来るようになった。ただコントロールが難しいので、落としてから素早くダメ押しで軽く押しこんだ方が確実。→改訂:やはりコントロールが難しいので、落とさずに一気に指一本で押し込む方が確実。

 

慣れてきたとはいえ、まだ簡単ではない。失敗もする。

ここで吐き気止めに話を戻すが、この吐き気止めに失敗し、大泡を吹かせてしまったのだ。

こうなるとトラウマだ。次が怖い。

抗生剤と甲状腺の薬に関しては成功体験があるのでできるが、吐き気止め。

しかし食欲のためには飲ませたい。

そこで、思いついてしまった。

ガンの餌になると知って封印した乳製品だったが、喜んで食べていたチーズ。これに包んでみたら、呆気なくペロリだ。

こうなると他の薬もチーズに包みたくなるが、薬を仕込んだことが発覚するリスクは抑えたいので、極力チーズは使わないようにしたい。抗生剤と甲状腺は、やれるうちは頑張っていく。

 

こうして飲ませた吐き気止めが功を奏したのか、少しずつ食いつきが良くなってきたのだ。

顔を背ける時間が短くなり、食べる量が少しずつ増え、食べられる種類も増えて来た。

久し振りに「寝る前の一食」に自らやって来て、深夜と早朝にもしっかり一皿食べたのだ。

 

ああ、こんな気分は久しぶりである。今日は滞っていた家のことを動かそう。

エル、まだまだ生きるよ。