結局その後、サンマもほとんど食べないまま、どんどんエルの容態は悪化した。
グッタリして動かない。ガーゼの交換時に、体を起こす力もない。それでもヨタヨタとトイレにだけは自力で行ったことだけが救いだ。
呼吸は少し大きい。
しかしエルはもともと呼吸が荒い傾向があり、これがどれほど悪い状態なのかは正直良く分からない。
それでももし酸素室に入ることで少しでも楽になるなら、そろそろ用意した方がいいのかもしれない。
とにかく食べていないことが心配だ。これまで頑張って来られたのは、エルの食欲だったのだ。もう限界なのか。
挽肉を持って行く。「ニャー」と鳴いてこっちを見る。この反応。
食べる気はあるのだ。
匂いを嗅ぎ、しきりに舌なめずりをし、顔を背ける。どうも食欲の問題ではなく、内容の問題なのではないか。
ダメもとで買って来た鮭を焼いて出す。
これが・・・・・・・。
バカ食い。
どこにこんな力があったのかと思う程の勢いで食べきった。
ひと晩かけてたっぷり食べさせたが、夜中におかわりをせがむほどに回復し、どうやら持ち直したようである。
市販のご飯を食べなくなり、アジ、サバ、タラ、サンマ、挽肉、と次々ダメになり、鮭だ。
単に飽きたというだけなら、まだ一周回ったころにチャンスはあるだろう。鮭の魔法が切れたら後がない。どうか周回できますよう。
持ち直しはしたが、今後の対応を聞きに私だけ病院に行こうと思う。
どうせいい話なんかないだろう。
それでも、聞かなきゃならないのだ。
運命のバカヤロウ。
