人は、命にかかわるような危機に直面すると、トロくなるらしい。
映画だと現場はパニック状態となるが、実際にはみんな落ち着いていて、静かで、遅いと言う。恐怖と向かい合えない、逃避の反応という。
本で読んだ。
正直なところ、そんなバカな、と思った。
この本では米テロ、テロリストの人質、火災など色んなケースを取り上げていたが、一様に現場の動きは遅かったとのことである。
そこでいかに早く我に返るかが、生き残りに繋がるというのだ。覚えておこう。一刻も早く現実を認め、行動に移るのだ。
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週末。金曜日の夜。私はダンナと駅で待ち合わせをしていた。
ダンナは仕事帰りにこっちへ向かい、私は家から駅へと向かう。
待ち合わせと言うとなぜか突発的なことが起こり、待たせてしまうことが良くある。この場合の「突発的」は、自然災害的なものではない。私のハッタツ的なものだ(笑)
なので毎度「今度こそ待たせるようなことのないよう」と抜かりなく準備をしているつもりなのだが、それでも何か起こるのがハッタツなのである。
LINEのやり取りで、バスの時間を勘違いしていたことが分かった。
すぐに出れば間に合うかも。微妙にギリギリ、という残り時間であった。
ところが私はなぜか、ウロウロしているのである。焦る気持ちもあるにはあるが、どうしたらいいのか分からない。時間はどんどん過ぎる。それなのに、急げない。思考が進んで行かないのだ。
何だか色々忘れたような気持ちのまま家を出たらとりあえす走ったが、今思えばあれも、「生き残れない行動」だったのかもしれない。
しかしトロくなった分、ある一つの能力が超人的になることもあるらしい。
能力は様々で、視力、聴力、腕力、どれが開花するかはその時にならないと分からないのだ。アメリカの警察官などは、その能力を引き出すためにわざとピンチの状況に陥る訓練なんかをするそうだ。
まだ私は自分のその能力を見ていない。
もっとギリギリを攻めれば、私は変身するかもしれない。
思えば、ギリギリ人生であった。変身などしたことはない(笑)
どうやら、生き残れそうにない。