冷蔵庫を開ける。ため息が出る。
もう何度目だろう?分かっちゃいるのに、同じ動作の繰り返しだ。腹が減った。
昼ご飯はだいたい前日の残りで食いつないでいるが、このように、無い日は何も無いのである。
しかし冷蔵庫は常にパンパンだ。食べるものがない訳ではない。ただ、そのままでは食べられないか、食べる気にならないものばかりなのだった。
溶けるチーズ。
こんにゃく。
ヨーグルト。
カットキャベツ。
紅生姜。
めかぶ。
納豆。
豆腐。
海苔。
カラムーチョ焼きそば。
あとは生野菜だ。
トマト、ニラ、レタス、えのき、ルッコラ、玉ネギ、赤ピーマン。なぜ赤?
唯一食べたいと思えるのがソーセージだが、これだけではお腹に溜まらない。
ここまで食材があれば、作れる人には作れるだろう。しかし私は作る能力も気力もない。でも今すぐ、肉を食べたい。
私はまた、冷蔵庫を覗く。はぁ~~。どこかで観念する。肉を諦めるか、調理をするか、ソーセージを焼くだけで我慢するか。
「ニャー」。
一方、この子らも空腹だ。寝てるかお腹を空かせているか、どちらかである。いいご身分だ。
体重が減ってきているので基本的に全ての要求に応えているが、ニャーで食べ物が出てくるなんて、羨ましい限りである。気に入らなければ食べもしないし、そうすると私は何度も違うものを出すことになる。
いいご身分だ。
「ニャー」。
またですか。
私だって腹は減っている。ニャーで済ませたいわ。あぁもう、さっきから何度目よ。繰り返しの催促に、私の動きは鈍る。
「ニャー」。
はいはいはいはい、ニャーですね、ご飯ですね、ちょっと待っててよね。
「ニャー」。
・・・・・・・・。
当然だが、彼らは自分で食事の支度をすることができない。お腹が空いたら鳴くしかないのである。そして食べ物が出るか出ないかは、私次第である。
「食べる」という死活問題を、他人に委ねるしかないのだ。それに比べて私の選択肢の多さよ。なんなら自分次第でしっかりしたものを作ることもできるラインナップだ。それをしないのは自分である。いいご身分はどっちだよ。
猫にご飯をあげた。
そして私が選んだ選択肢は、「納豆+めかぶ+豆腐」であった。
あぁ、肉料理が食べたい。
はい、食べない選択は自分でしているのです・・・・・・・。