人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子57歳。

イエスの実像に迫る

***持ち時間が残り10分を切ってしまった。ネタが浮かんで来ないので、ストック記事から。***

 

 

信者の方に言ったら怒られてしまいそうだが、果たしてキリストは実在したのか、そうだとしたらどこまでの逸話が事実なのか、その辺を知りたかったのだ。

実在はしたんじゃないかと思う。

ただ、あまりにも神めいたものについて、なぜそんな話になって後世まで残ることとなったのか。その辺を宗教っけ抜きに知りたかったのである。

そういう意味では、選択を間違えた。いや、私にしたら、タイトルが紛らわしいと言いたいが。

この本は「イエスの実像に迫る」というよりも、「イエスのいた時代のイエスをとりまいた環境に迫る」というものだ。そこから「恐らくイエスはこう感じたであろう」という著者の思いである。

 

聖書よりもむしろユダヤ教のラビの口伝の集成「ミシュナー」を参考に、当時の息遣いが感じられるほどの日常を描き出す。

2千年前のユダヤ。

ミシュナーには法律とも戒律ともとれる記述が多いが、人々は信仰のもと、慈愛溢れる世界で生きていた。

それは今の世の中にも通じるものが多く、人間に必要なものがいかに変わらずあることか、そして人間がいかに変わらず生きて来たのかを知る。

宗教的に読めば読みごたえがあるが、先に書いたように私の求めたものでなかったことは残念。

また文章が翻訳のように固く、時々同じ話が出て来たりなど、小説家が書いたとは思えないようなものに感じた。

現代の人の在り方については著者の偏った意見も多く、共感しにくい。

あくまで個人的な考えだが、教育と宗教は、混同すべきではないと思う。不変である宗教と、変化が必要な教育。現代は、弱者を弱いと断罪できる時代ではないと思う。また、「現代の日本人は」とひとくくりに下げる言い方も、不快であった。

 

しかし最後の言葉は非常に印象に残った。「他人のことを全て知ることは絶対にできない。それができるのは、神のみ。だから人の評価は神の仕事であり、裁けるのも神だけ。私達は他人にも自分にも、余裕を持って優しく接しなければならない」という思想。

う~ん、宗教本として読むべきかな。

 

 

ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆

「イエスの実像に迫る」 曽野綾子

海竜社