人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子57歳。

せんべいで幸せになる。

【個人的なお知らせ】

東村山市内で麻酔を使って大腸内視鏡をやってくれるクリニック、「まつたに内科クリニック(秋津)」。予約できれば、個室もあるそうです!!

 

 

メルは独特な世界に生きていて、たぶん一人で生きていくことは難しいだろうと思う。

音楽イベントのまちジャムで、彼女とまた会った。彼女も一応ミュージシャンだ。

彼女の出番に合わせて行ったつもりだったが、会場の扉を開くと全く違う人が歌っていたので、出番が押しているのかと思ったのだ。

しかしそれは「全く違う人」ではなく、紛れもなくメルだったのである。

いつも奇抜な格好をしているので、都度印象が違う。これもメルか。すっかり見逃してしまった。

「ごめん、メルだと思わなかった。」謝ると、「い~ですよ~」特徴のある裏声でメルは答えた。

 

メルはあまり自分から口を開かないが、キョトンとした顔で「あれ食べたい」と、後ろの人達が食べているせんべいを指さした。

たまたま知り合いだったので分けて貰ったが、見ると本当に幸せそうな顔でニコニコとせんべいを頬張っていた。

その後、もう一枚食べたい、あっちのお菓子も食べたい、と結局3回、幸せそうに食べた。

その顔がたまらなく、私は会場と同じビルにあるスーパーに行き、せんべいの大袋を買って来る。

「メル、せんべいだよ、食べて。」勧めると、メルはすっとぼけた顔で食べ始めた。

さっきの顔は見られなかった。やはり、自分から欲したものじゃないとダメなのか。

最後には「もうお腹いっぱいです~~~。」と歌うように言って、せんべいの小袋をバッグにしまった。

 

計算がなくて、だからあざとさも、逆に気遣いもなくて、全く子供のようなメル。

その自然体が心地良く、私はずっとメルのそばにいた。

とりとめのない話をした。計算も、気遣いもしなかった。ただ口から出る言葉に任せた。

私達は普段、どれだけ硬いシールドを纏って人と関わっていたのか。

そしてそんなシールドのいらない関係が、どんなに自然で心地良いものなのか。

 

「ねぇ見て、これうちの猫。」エルの写真を見せる。

メルは真顔で、その写真のエルの額を撫でた。

尊さと引き換えに、彼女はいくつかのものを持つことができなかったかもしれない。

必要なのはどっち?

自分に問うたとき、汚れ切った自分を見る。

 

生きづらいのは、案外自分の方なのかもしれない。