今週のお題「最近捨てたもの」
溜め込むタチだ。捨てなきゃならないものばかりである。しょちゅう何かしら捨てていて「最近」も何もないが、あそこと向かい合ったのは久しぶりのことだった。
キッチンの引き出し(大)。
その引き出しは深さも奥行きもあり、屈まずに開け閉めできるという高さにあって、収納の条件としては最高のものだ。
しかし何を入れるかを明確にしていないため、何でもかんでもとりあえず入れてしまう便利箱と化していた。
とりあえず入れたものなど、見えなくなれば忘れてしまうものである。忘れられてしまえば求められることもなく、引き出しは開くことがない。これが開くのは、また入れる場所がないものがあった時である。
こうして忘れられるためのものが、積み重なっていくのだった。
やがてここも、満杯となる。
とりあえず入れようと、ある日ここを開ける。どうにもスペースがないのである。
そこで初めて現実を知るのだ。
嫌だ。向かい合いたくない。この奥底には、見たくないものがたくさん埋もれているはずだ。
こうして現実を知りながら、今度はしらばっくれる日々を過ごす。
つい習慣で「とりあえず」入れようとすることもあるが、満員じゃ。
なんだかとてつもなく重いものを見たような気持になり、私はまた逃げる。
こんなことを繰り返しても、状況は変わらないのだ。数年に一度、腹を決める時が来る。それがついこの間だったのだ。
さすがに繰り返していると成長するようで、初期の頃ほどのカオスではなかった。
しかし賞味期限に関しては、どれも「期限切れ」をクリアしていたので捨てる羽目だ。
開いてもいない食品を、捨てるために開けていく。胸の痛む作業だ。
もうこんなことにならないようにしようといつも思うのだが、結局こうなってしまう。
原因は、原因を考えないからではないか。
原因:入れっぱなしで忘れてしまう。
見ないから忘れるのである。
今後ここには、日常的に使うものを入れることにする。
「とりあえず」のスペースも確保しておくが、日常的に目に入れば忘れ果てることはないだろう。思い出せば消費も進み、溢れかえるようなことにはならないはずだ。
これでやっと、引き出しのカオスから逃れられる。
しかし、賞味期限が去年の緑茶パック(大量)と海苔(大量)だけは捨てられなかった。
これを最後の宿題としたい。
過去のカオス集。