大船で、安い野菜を買い込んであったのだ。
サラダ用の生野菜が多かったため、消費が追い付かず、ケールの変色が始まっていた。
ケール。
最近見るようになった野菜だが、エグみがあり、私の苦手なタイプである。
逆にダンナはこのようなクセのある野菜を好む。ダンナ用に買ったようなものだった。
しかしケール2袋だ。ダンナひとりでそうそう簡単に消費できるものではなさそうである。
実は前回ケールを買った時にもあれよあれよという間に変色し、慌てて食べたところエグみも進んでいて厳しい思いをした。それを考えると、私は食べたくないところである。
何とかできれば1回で美味しく消費する方法はないか。
加熱だ。
加熱すればカサも減るし、調理法次第でエグみも抑えられるかもしれない。
私はネットでレシピを漁ったが、その多くはサラダで、その次は炒め物という感じだ。
炒め物ねぇ・・・、あまり気が進まないが、とページを繰っていたら、「鍋」。
出汁は塩ちゃんこ、ケール、春菊、三つ葉、セリ、と香り野菜の鍋だ。おお、三つ葉なら大船で2袋10円で買ったものがある(笑)この鍋にしよう。
実際にはもうセリか買えなかったので、代わりに適当に安い葉物野菜を買っておいた。
肉は鶏肉だ。鶏もも。
市販の鍋汁はもう季節柄選べなくなっていて、安くもないのでネットで見て自分で作ることにした。酒たっぷり、鶏ガラ、にんにく、生姜、みりん、醤油、塩、ごま油。一度過熱して冷ましながら、切った玉ネギを浮かべておけと。何の儀式だ。
念のため、レシピに載っていた正しい野菜のラインナップは、「ケール、春菊、三つ葉、セリ、ほうれん草、長ネギ、」である。
春菊だけは好んで食べるようにはなったが、ケールに三つ葉だ。あまり気乗りのする鍋ではない。
ところが。
これが凄く美味しかったのである。
なるほど、香り野菜だ。これを「クセ」というかどうかは個人差があると思うが、そういうクセが苦手な私でも美味しく食べられたのだ。クセではなく個性と言いたい。この香りがとてもいいのである。
また、鶏肉とも良く合う。出汁も美味しい。
惜しむべきは、思ったよりも野菜がクタクタになって少なくなってしまったことである。全部倍の量でいい。もっと食べたかった。
セリや春菊がラインナップされているということは、もっと早い時期に食べるべき鍋だったのかもしれない。次はもう、来年ということになりそうだ。
忘れないよう、書き留めておく。