また口内炎だ。本当に、忌々しい。
しかも今回は、いつものと違う。小さな水ぶくれの様な従来型ではなく、「荒れた結果剥がれた」という感じのものだ。ピンポイントでない代わりに、範囲が広い。
上顎の、左側。歯の際だ。
まるで紙やすりで削ったように、痛い。紙やすりで歯茎の部分が削られて、中の骨がむき出しになっている感じである。
何を食べてもしみる。
何が当たっても痛い。
食欲はあるのだ。普通に口に入れれば、毎度「忘れてました」というように痛みの衝撃がある。
そこからはできるだけ刺激を与えないよう、ゆっくりゆっくり噛みしめていく。
ゆっくり、ゆっくりだ。
どんなに美味しいものにも、痛みを伴う。箸が進まなくなる。
ああ、こうして食は細くなっていくのだろうか。と思って、気が付いた。
我が家の18歳の猫・エルは、人間だと88歳程度になっているとのこと。
持病とは薬で上手く付き合っているが、次に問題になっているのは歯だ。
生まれてこのかた一度も歯を磨いていないのだ。歯周病になるのは動物も同じである。
しかし相手は猫だ。大人しく歯の治療をさせてもらうことができない。なので、麻酔は必須だ。
88歳の小動物に麻酔は危険、というのが一般的な考えであり、やはりエルの歯も様子を見るしかない状態となっている。
今のところ食べにくそうにすることがある程度で、まださほど問題はない。
しかしいつか深刻な歯肉炎にでもなれば、「食欲があっても食べられない」という日が来ることになるだろう。
今私は涙チョチョ切らせて食事をしながら、どうかその日が永遠に来ないことを祈っている。
というか、私のコレは口内炎じゃなくて歯肉炎なのか??
奥歯も痛いし、観念して歯医者に行かねばならんのだろうか・・・。