今週のお題「感動するほどおいしかったもの」
美味しいものなど、限りなくある。思い出せるものも限りない。あれもこれも美味しかった。
いい素材をいい調理人が作れば、そりゃ感動するほど美味しくなるだろう。
しかし私が真っ先に思い出したのは、自分で炊いた安米である。
そもそもは、あまり白米を美味しいと感じることがなかった。
子供の頃からおかずが好きで、ご飯なんてなきゃないでいいものだったのだ。
外食でもおかずだけ頼んで、良く「ご飯はよろしいですか?」と聞き返されたものだ。
大人になり、「ご飯+おかず」の良さは分かるようになった。
それでもご飯単体で美味しいと感じることはなく、「誰か私に白飯が美味しいと言わせてみんかい」と昔話の王様のように思っていたのだが、それを叶えたのは他ならぬ自分だったのである。
美味しいご飯を炊こうなどと思っていた訳ではない。たまたまだ。
それは、いわゆるキャンプ飯であった。
車で来たため酒が飲めず、代わりにメスティンでご飯を炊いたのである。
全然期待などしていなかった。
これが、一口食べて、悲鳴に近い声が出た。
甘味があってふっくらと炊けたご飯はそのままでも十分美味しく、私はおかずもなしに半分ほど一気に食べてしまった。
衝撃の味だ。これがご飯と言うものか。日本人、万歳。
一体何が良かったのかは分からない。
メスティンで炊いたことか、時間か、分量か、それとも単に「キャンプ」というシチュエーションが成したことなのか。
しかしその後も同じ衝撃を持って食べているので、偶然ではないことだけは確かである。
グルメカテで砂糖とバターだけのクレープを書いたところだが、シンプルイスベストとはこう言うことかと思わされたのであった。