久し振りに、雨が降った。降るまで久しぶりであることに気付かなかったが、久しぶりである。
朝ダンナを駅まで送り、戻って来る。
雨は降る。車のボディの雨粒が。するすると流れ落ちる。
・・・・・・・・・。
思いついてしまった。
車を買い替えたのは、おととしの夏。
25年間乗っていたハイラックスサーフは最後にはもうハゲハゲで、洗車もろくにしていない有様だった。
あのままの洗車サイクルでいくわけにはいかない。洗車方法も然り。できるだけ手洗いで。ちょっと高めのコーティング剤も買った。このコーティング剤が逸品で、最後の洗車から数ヶ月経った今でも元気に水を弾いている。
この雨もコロコロとボディを流れ落ちていたが、問題は汚れだ。さすがに数ヶ月洗車をしないと、汚れは溜まる。気になっていたところだ。
コーティングは生きているのだ。さしあたって汚れだけ落ちればいい。そして今、天からシャワーが舞い落ちているのである。やることはひとつ。
寒いし時間もない、チャチャッとスポンジで撫でるだけでもしておこう。
朝一番のスケジュール設定に、「洗車」を入れる。急ぐこともない、昼過ぎぐらいにやっておくか。
ドアを開けると外は、雪になっていた。
雪・・・。どうしようか。寒いし冷たい。それに「積もる」じゃなくて「流れる」じゃないと洗車にならんのでは?いや、そもそも洗車ではないが、より洗車の条件に近づけるには、雪ではなくシャワーで洗い流したいところである。
迷ったが、このチャンスを逃したら、当分洗車のチャンスはないような気がする。これまでも休日に洗車機にかけようと何度も言ってはみたが、なぁなぁでここまで来てしまったのである。危険な兆候だ。すでにフリードの洗車熱は冷めつつある。
やらないよりはマシ、と判断して、着手することにした。まぁ届く範囲をスポンジで撫でるだけである。
すでに雪は軽く積もり始めていた。冷たい。しかしサッとひと撫ですると、綺麗なボディが顔を出す。
やって良かった。フリードを撫でまわすぞ!
しかし恥ずかしいことこの上ない。これを見た人は、どう思うだろうか。どんな言い逃れもできない、まごうことなき手抜き洗車である。天の恵みを利用していることは一目瞭然だ。
しかし洗車機に入れる手間も時間も惜しい、自力の洗車ならなおさら、となると、恥を捨てるしかない。それでいっとき車は綺麗になるのである。
一日経った。また今日も、雪が降ると言う。その後はきっと雨だ。
汚れは私が落とした。その後のすすぎを、頑張ってもらおう。天気予報を見ると、乾燥はまだ先になりそうだ。
週末にはピカピカになっていることだろう。