人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

本屋さんにいた頃

今週のお題「本屋さん」

 

子供が生まれ、生後6か月で保育園に入れ、まず私が最初に就いた仕事は本屋さんであった。なんてことはない、学歴も技術も能力もない私に、母が知り合いの本屋さんを紹介しただけのことである。時給は600円台であった。

今思えばもっと時給のいい所はあったと思うが、よほど出来の悪い私を心配したのだろう。雇ってもらえるだけ御の字、と思っていたのかもしれない。

私も私でこういったことにまるで欲も希望もなかったから、「じゃあそこに行く」と良く考えずに決めてしまったのだった。

結果的には、いい職場だったと思う。しかし結局、時給の低さに我慢ができなくなって辞めてしまった。

 

仕事は主に、発注業務だ。

みんなそれぞれ担当のジャンルを持ち、新作を出し、売れた分は補充。

最初のうち私は機械的に出していただけだったが、「平積みするとよく売れる」というケースがあることが分かってからは面白くなってきて色々考えるようになった。

私の担当は、SFとライトノベルという全く自分に縁のないジャンルであった。品出しは、後手後手になっていただろう。ツインピークスが良く売れた。

 

レジはひとりいれば十分賄えたので、自分は品出しさえすればもうノルマはクリアだ。

マイペースでできたし、休みたければ2,3日程度の品出しぐらいなら違う担当でも肩代わりできる。

自由に休憩してお菓子を食べたりして、本当にまったり過ごしていた。仕事の楽しさ、自由度、店長もパートさんもいい人ばかりだった。こうはなかなかない。しかし時給よ。

 

インターネットの台頭で紙の本が売れなくなってきているという。

本屋さんも減ってきているらしいが、私の働いていたお店はまだ健在だ。

仕事中に気になった本を買って帰ったことも多かった。やはり手に取ってみて、惹かれるものもあるのだ。

本屋さんにはいつまでも頑張っていって欲しい。