私が本を選ぶきっかけは、新聞やネットの書評が主だ。なので、実際に本を手に取ってみると「ちょっと思ったのと違う」ということが時々起こる。
この本は、中高生向けのライトノベルであった(笑)
インターネット上のヴァーチャルルーム、「奇譚ルーム」に招待された「ぼく」。
誰が、どうして自分を招待したのかは分からないが、奇譚話は好きな方だ。深いことを考えずに参加してしまう。
同じように奇譚好きが10人揃ったところで、現れた主催者「マーダラー」。
これから一人ずつ奇譚話を披露して、面白くなかったら殺すと言い出したのだ。
そんなことができるはずはない、とタカを括っていたが、ルームのメンバーはひとりずつ消されていく。
ルームは10人までしか入れないルールだ。そもそもマーダラーは呼び出された10人の中にいるはずである。誰かがそれを隠しているということになる。
怪しいのは・・・、そしてまたひとり消されていく・・・。
映画「デステューブ」のようなサバイバルスリラーだ。
しかし低年齢向けで、ゾットとするような恐ろしさはなく、「誰がマーダラーなのか」という謎がストーリーの核となっている。
低年齢向けとはいってもしっかり謎は謎として惹きつけ、無理のない展開となっていたので楽しめた。何より、オチの意外性に驚かされたのだ。
後味が悪くなかったのも、好感が持てる。
まぁでも、若者向けだ(笑)ちょっと間違えた感は否めない。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆~★★★★☆(読み手の年齢による)
「奇譚ルーム」 はやみねかおる
朝日新聞出版