午後16時。
休日出勤だったダンナと駅で落ち合い、コーヒーショップで時間を潰す。リハまで、あと1時間。
「いつから飲む?」
出演時間に対してどれぐらい前から飲むのか、という質問だ。
飲み過ぎても足りなくても、良からぬ結果になることは分かっている。難しい問題だ。
「オープニングアクト始まるあたりかなぁ?」
ダンナは私達の出演30分前を目安にしているようだ。
私は1時間前と考えていたが、前回はちょっとオーバードランク気味であった(笑)ので、私も30分前を目安にすることにした。
それにしてもだ。
先週の日曜日にデイキャンプへ行き、疲れ果てて飲まずに寝ることができたのだ。それから飲んでいない。日曜から金曜まで6日間、飲んでいないのである。体調はすこぶる良い。それと関係あるのか、あまり飲酒欲求は沸いてこないのだ。もしかして、このままいけるだろうか?
不思議と落ち着いていた。緊張もない。リハでも気持ち良く声が出たので、飲まずにやることにした。気負いはない。ごく自然な流れだった。
飲んでないので頭はクリアだ。
声も出ている。
記憶にある中で飲まずにライブに出たのは、「祭り」を除いたら1回だけである。そしてその結果、やはり飲まないといいノリが出せないと判断したのだ。私はまた、迷わず飲むようになった。
しかしだ、個人的に、今回以上に悔いのないライブはあっただろうか。
酔いに任せず自力で全て出し切った達成感もあろうが、
・6日間飲まなかったことにより、アルコール依存が消えていた。→肉体的、精神的安定。
・家でも練習していたため、飲まなくても声が出せるようになってきた。
・短期間で同じセトリのライブが続いたため、余裕が出て来た。→緊張しなかった。
・少々なげやりであった(笑)いい方に作用したらしい。
こうなると手放すのが惜しくなってくるもので、気持ちは大きく揺れる。
束の間、夢を見たが、今、やはりもう心は決まっていた。
厳密には決まってなどいない。でも決めるのだ。決めることに決めたのだ。
気が付いたらもう12月。
来年こそは、新しい一歩を踏み出したいものである。