買う、と決めたものでも、実際に買うまでには意外と時間がかかるものなのだ。
単純に買いに行くのが面倒だし、面倒がって時間が経つうちに購買熱も冷める。
それでも、本当に必要なものならまた熱は繰り返し上がるものだ。その何度目かの熱で、やっと買った「芍薬甘草湯」。漢方薬だ。こむら返りに効くという。
このごろ長時間歩くと、足がつるようになった。
厳密に言うと「つる寸前」で踏みとどまっているのだが、踏みとどまるのも楽ではない。決めた形にしか動けず、脛とふくらはぎが同時にリーチがかかったりすると地獄だ。見た目にもメチャクチャ格好悪い。
そこで色々調べて挙がってきたのが、この漢方薬だったのである。アスリートも勧める、なかなか評判のものだ。
しかし「喉元過ぎれば」で、そうそうしょっちゅう足がつる訳でもない。というか、つってもいないのである。お金もかかるし、仮につったところで、長い人生の中にあってはほんの一瞬の痛みだ。いっとき我慢すれば、もうしばらくは起こらないのである。
こうして、何となく買わないとと思いながら何となく時が過ぎていた。
そんな中、ダンナの足がつった(笑)こちらは完璧にキマッたらしく、その後は数日、杖をついて歩くほどのやられようだ。ついに、かの漢方薬を買ったのだった。
足がつるのは、長時間歩いた時だけではない。夜中にビキッと来ることも多い。
これも完全にやられる前に、しかるべく方向に足を向けることで対処はできる。
しかしこちとら気持ち良く寝ていたのに、瞬時に立ち上がり、神の怒りが収まるのを待たなくてはならないのだ。なんたる理不尽。
「もうそろそろ・・・。」とベッドに腰を下ろした途端にまた、ビキキキ・・・、と筋肉が収縮する。あぁまだですか。泣きそうになりながら、立ち上がる。何のおしおきだよ。
ところがその晩は、秘密兵器があったのである。芍薬甘草湯。
枕もとにはいつも、薬箱と炭酸水が置いてあった。中から芍薬甘草湯を取り出し、飲む。
効くまでどれぐらいかかるんだろう。というか、そもそも漢方って、そんな即効性のあるものじゃないよね!?何ヶ月も飲み続けて体質を変えるとか、そんなんだったと思うが。
そんな思いを巡らす間にも、足はギギギと私を脅している。まったく油断ならん。一体今何時よ。空は白み始めていた。
足の緊張を解いてみる。予想した痛みは現れず、どうやらお帰りになったようだ。
ものの3分ほどか。こんなに効き目の早い薬は、初めてである。オドロキ。
ベッドに座っても、体を横たえても、足に違和感はない。
すっかり目は覚めてしまったが、こんなに後腐れなく短時間でケリがついて、むしろ清々しいくらいだ。
もうこれで、こむら返りも怖くない。
ついでに言うと、長年飲んでいる五苓散も、効果を実感している。こちらは二日酔い予防だ(笑)即効性はないが、長い間飲んでいるうちに、楽になっていた。
漢方パワー、凄い!
既製品ではない、オーダーメイドで調合してくれるガチ漢方が高いのも頷ける。
実感したい方は、お試しあれ。