もし今の世の中で、電気が完全になくなったら・・・。
監督:矢口史靖
キャスト:小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな
サラリーマンの義之、専業主婦の光恵、大学生の賢司、高校生の結衣は、平凡な家族ではあったが、自分勝手で口先だけの父親にみんなが不満を持ち、我慢して暮らしている状態だった。
そんな中で突然の停電。
電気だけではなく電池もダメ、水道も止まり、情報も途絶えた。
お金にはもう価値はない。必要なのは水と食料だ。
都会にいては、生き残れない。
「俺についてこい。鹿児島に行くぞ。」
有無を言わさず自転車での鹿児島行きを決めた父・義之。
行く先々で失敗しながらも相変わらず威張り散らす義之に、家族の不満は溜まっていく。
長い長い旅路。家族はひとつになれるのか。それ以前に、生き残れるのか・・・。
中途半端な停電ではなく、完全に電気が無くなる、という設定が面白い。
こうなると必要なものなんて、本当にごくわずかだ。そしてそれは、なかなか手に入らない。
機能不全の家族がどうやってそれを乗り越えるのかが見どころだが、もうとにかく父・義之がホントにふてぶてしくてムカつく(笑)しかし、昭和に良くいた父親だ。妙に懐かしくもある。
そこへ、小生意気な娘・結衣と不貞腐れた息子・賢司も、良くある反抗期の子供らしく、かえって気持ちがいい。
電気のない生活は、もともとあったはずの生活様式だ。サバイバルは御免だが、田舎の生活には惹かれてしまった。
この作品は私達に、色んなことを思い出させてくれる。
しかし。
まぁそもそもの設定が大フィクションだが、「ありえん」という偶然が多過ぎて、その都度冷めた。
あり得ないにしても、もうちょっと自然に受け入れられるような流れにするべきでは。
偶然の使い過ぎは、フィクションであることを気づかせることになってしまう。
その辺が残念だった。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆