この場合の「The」は必要なのか?冠詞なんて勘だ。勘詞。
アンドリュー戦、その後。
アンドリューを怒らせたか、その後彼は凄い勢いで経験値を上積みしていき、私の戦意はすっかり喪失してしまった。とても抜かせる差ではない。
私はまた、マイペースでやるよう努めたのだ。もうアプリ奴隷の生活は辛い。あぁ、自由っていいな。
それに伴うようアンドリューのペースも、私との大差を保ったまま下がっていった。
ところがだ。
土曜日旅行に出たので、電車の中で時間潰しに集中して「お勉強」をしてしまったのだ。
前にも書いたように、このゲーム勉強アプリのランキングは、経験値で決まる。成績ではなくやればいいだけなのだ。やった時間に比例する。
恐らく油断していたアンドリューに、気が付くと数値はかなり迫っていた。
こうなるとまた、面白い。よし、アンドリューよ、大和魂を見るがいい。
私は旅先で、とにかくずっとプレイ勉強していた。
いよいよその差は、約1000XPと迫った。
まだ遠いといえば遠いが、クリスマスでアンドリューが遊び狂っている間に集中して追い込めば、ワンチャンありでは!?
旅館の部屋に着いても、私はずっとアプリを開いていた。
12月24日。
彼の勉強状況を示すグラフに動きはない。
なかった。
ところがだ。
私が晩ご飯を食べて部屋に戻ってみると、
(厳密には、一番近い時点でのスクショになってます)
えっ!?いくら旅先でのんびり食べてたとは言え、ほんの食事一食の間にもうこんなに差がついているのだ。
そしてその差はみるみる開いていく。
しばらくは私も頑張っていたが、もうバカバカしくなった。なぜ私は旅先でこんなことをしているんだろう。
諦めて部屋で飲み始める。アンドリューはのびのびと経験値を稼いでいく。
惨敗だ。
勝負はあと一日あるが、もう明日はいい。アンドリューよ、私は明日稼がない。あんたへのクリスマスプレゼントだ。今週の一位、おめでとう。
月曜日。
ランキングはリセットされている。
その中にはもう、アンドリューの名前はなかった。
もう戦わなくていいと思うと、ホッとする。マイペースでいいのだ。マイペースでいこう。
ランキングのトップを見ると、日本人の名前が挙がっていた。前にも言ったが、プレイヤーに日本人の割合は、そう高くはない。それが堂々とトップにいるのだ。
まだランキングは始まったばかりである。誰にでもチャンスはある。
今週のライバルは、中曽根将太(仮名)、あんただ。一位になんてならなくてもいい。しかしあんたより前に出る!
また新たな戦いが始まる。