人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

こんな程度の過去未来

ひとの人生なんて、不公平なものだな、と思う。

もっと美人に生まれたかったな、とか、発達障害みたいなものがなかったら、とか、もう少し家庭環境が良かったら、とか。

他人の過去は、輝かしく見える。

ただ、羨むような機能が備わっていなかったのは、幸いだ。生きづらさはあっても僻んだり妬んだりせずに済んだので、私の不幸は私の中で終結することができた。

 

勉強はできなかった。

運動も苦手、根気がなく、覇気もなかった。

楽なことに逃げ、努力を避け、漂うように生きて来た。

こんな自分を卑下もしない代わりに、良くしようという気にもならなかった。

諦めていたのだ。素材が悪すぎる。「身の程を知る」といえば聞こえがいいか、まぁ向上心も夢も希望もなかったから、それはそれでそこそこ幸せだったのである。

 

生きている実感が持てるようになったのは、ここ最近のことである。

若い頃のように恋愛だ仕事だ、虚勢を張るようなフィールドにない今、私のテリトリーには自分しかいない。

不公平を感じるような場所にいないのである。強いて言うなら、比較対象は自分の過去ぐらいだ。

驚いたことに、結構幸せだ。

ろくでもない過去に培った「身の程を知る」という生き方が、夢を見ない人生を肯定してくれる。

こんな程度でいい。それを知るための、過去。

全ての過去が、今の私の幸せに繋がっている。

頑張れれば、進歩だ。

根気よく勉強して、運動して、逃げずに努力する。

そんなことができれば、私は過去よりも輝くのだ。悪くない。

少しずつ、色んなことが形になりつつある。

 

相変らずグズでクズだけど、こんな程度でいい。

そう思えるようになったからこそ、頑張れる気にもなれるのだ。

マイペースで。

死ぬまでこのまま私らしくいこうじゃないか。