「もうね、当日か前日か、いっそ決めた方がいいように思うよ。」
ダンナの在宅勤務が決まると、当然「アレ」が頭をよぎる。
あらかじめ予定しておくことに罪悪感があり、その場任せにしていた結果、翌朝ゆっくりできる「前日」も、仕事が早く終えられる「当日」も、ガッツリ飲むようになりつつあった。
こうなったらもう潔く飲むことにし、その代わり前日か翌日かどちらかにしようということにしたのだ。
ダンナは「早く飲み始められる当日」を選んだ。それが昨日だったのである。
家飲みが決まった。
ワインクーラーには、常備してあるワインの他に、日本酒が数本入っていた。
最近日本酒にドはまりしていて、早く飲みたいと思っていたところだ。
これに合わせて美味しい魚など・・・、私はちょっと足を伸ばして大型鮮魚店まで刺身を買いに行った。
普段買わないような、ちょっといい刺身がテーブルに並ぶ。在宅勤務とは一体。
缶のクラフトビール、ストロングゼロ、日本酒のミニボトル4本(をふたりで)、一升瓶の残り(をふたりで)、記憶にあるのはそこまでだ。
朝、犬の散歩に起きて来たダンナに起こされた私は、リビングのソファで寝ていた。
まだ体内には酒が残っている感じだ。とっとと寝直したかったが、朝ご飯と弁当を・・・。こんな事態を想定して、前日のうちに作ってあったのだ。
冷汁とそば(酔った私が茹でておいてくれたらしい)を出し、すでに詰めてあった弁当を出し(つまみの残りを詰めただけ。シシャモのマリネとワカサギの天ぷら。ごめんなさい。)、ベッドへ行く。おやすみなさい。
酒の呪縛から逃れたいと思っていたはずなのに、何だかもうどうでも良くなってきた。
飲めるなら飲む。それでいいじゃないか。
隙あらば、飲もうぞ。
それでいいじゃないか・・・。