猛烈に、腹が減っていた。
月曜日の夕方に良く起こる現象である。週末に調理をしなかったために、残り物、つまり翌日の私のための朝昼飯が全くないということだ。
朝は抜いた。
昼にレトルトカレーのルーだけを食べた。
夕方になると、ひもじくて切なくなってくる。
家に何もない訳ではない。弁当用に買ったシューマイがあったが、あの100円のやっすいシューマイの味を思い浮かべると、なおのこと切なくなった。
まともなものが食べたい。
買い物のついでに、総菜でも買って来よう。
こういう時ほど、食べるものがなかなか決まらないものである。
空腹でわがままになっており、妥協ができない。
しかし高いお金は出したくない。
時間が時間なので、ガッツリ食べる訳にもいかない。
候補は白身魚のフライ(小5個入り130円)だったが、これはいつもこのパターンの時に食べていたものであった。
口内に、冷めた油のフライの味が甦る。何度も食べて、知り尽くした味だ。
それでも食べたいと心が動かされるのは、単にマヨネーズが食べたいからのような気がしてきた。
低糖質などと体のいいことを言っているが、高カロリーである。一体ダイエットとはなんぞや。前日に焼肉でやらかしたばかりだ。
観念して最低限の調理をすることにする。
ヘルシーな食材をヘルシーに調理すれば、罪は軽かろう。安くね。
選択肢は、そうなかった。
もう考え疲れてしまったのだ。
で、これをどうするかという問題が発生し、下処理に数十分という手間が発生し、結局調理に40分もかかってしまった。
ここまできて、妥協はしたくなかった。
片栗粉をまぶして炒め、みりんと醤油で味付けして食べた。
切ったレバーは立体的で、全体的に火を通すのが難しい。それぞれ形が違うのだ、仕上がりのタイミングも違う。
柔らかいレバーはボロボロに崩れ、これが空腹の極限にある私の口に入るのかと思うと泣けてくる。
このそそらないヴィジュアル。しかしもう、私にはこれしかないのだ。一気に300gを全部食べた。感想は、「醤油とみりんが美味しかった」。
さて、このあと私は体調を崩し、晩ご飯を食べなかったのだ。
ダンナの分は作ったが、そんな訳で今日も残り物がないのである。
専業主婦の人は、みんなどうしてるんだろう??わざわざ一人分を調理してるのか?
お金も手間も掛けたくないなら、妥協するのは味しかない。
シューマイ食べるとします・・・。