ブログの引っ越し作業のせいで、多くのものを犠牲にした。
時間の捻出のため娯楽がまず最初に封印され、後回しにできる家事、パートナーとのコミュニケーション(笑)
ピアノの練習も、そんな中のひとつだ。今やっと以前のペースに戻れたが、情熱は、戻らない・・・。
ここ1年数ヶ月、ずっと同じ一曲をくり返し練習してきたのだ。
私には難易度が高い曲で、やってもやっても満足するには程遠い。
しかしそれだけに、伸びしろは大きいのである。少しずつでも前進するのが楽しく、飽きずに続けられたのだ。
毎日弾いた。毎日発見があり、挑戦があった。その中で、確かになるもの、不必要になるもの、取捨を繰り返して精進していく。
2度ほどプロの方にアドバイスを貰ったが、さすがだ。彼らは近道へと導いてくれる。
手首、脱力、弾けないフレーズの練習の仕方。
私は弾いた。繰り返し弾いた。挑戦した。もう一生、この曲で終わってもいいとすら思った。この曲を極めたい。
ところがだ。
当然と言えば当然だが、久しぶりに弾いてみると、思うように弾けないのである。
ヘタクソなりに気持ちのいい部分、というのもあったはずだが、通してモッサリした気分で弾き終わった。
もっと、という向上心が、全く湧いてこない。というか、もうやりたくないぐらいだ。
つまらん。
私はこれに一年かけていたというのか。
アドバイスをくれたふたりのプロはふたりとも、「もう少し身の丈に合った曲をやった方がいい」と言うようなことを非常に繊細なオブラートに包んで言ったが、その通りではないか。なぜこの曲にこんなに費やした。もっと難易度の低い曲を(難易度が低くてもいい曲はたくさんある、とも言われた)、綺麗に気持ち良くたくさん弾いた方が良かったのではないか。
突然猛烈に、失って来たものの大きさを思い知った。私はミルコ・クロコップにケンカを売っていたのか。ミルコは私をあざ笑っていたことだろう。
今までほぼ毎日練習してきたので、退化するということがなかったのである。この喪失もショックだ。せっかくここまできたのに。
頑張った経験に乏しいので、挫折も乏しい人間だ。引きこもってハンバーガーを食べながら夜な夜なオンラインゲームに興じたい。
一応これまでこういった「課題曲」は、人前で弾くことを最後の仕上げにしていた。
もう今週いっぱいでダンナに聞かせてとっとと終わりにしたい。