人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

さよならミルコ

ブログの引っ越し作業のせいで、多くのものを犠牲にした。

時間の捻出のため娯楽がまず最初に封印され、後回しにできる家事、パートナーとのコミュニケーション(笑)

ピアノの練習も、そんな中のひとつだ。今やっと以前のペースに戻れたが、情熱は、戻らない・・・。

 

ここ1年数ヶ月、ずっと同じ一曲をくり返し練習してきたのだ。

私には難易度が高い曲で、やってもやっても満足するには程遠い。

しかしそれだけに、伸びしろは大きいのである。少しずつでも前進するのが楽しく、飽きずに続けられたのだ。

毎日弾いた。毎日発見があり、挑戦があった。その中で、確かになるもの、不必要になるもの、取捨を繰り返して精進していく。

2度ほどプロの方にアドバイスを貰ったが、さすがだ。彼らは近道へと導いてくれる。

手首、脱力、弾けないフレーズの練習の仕方。

私は弾いた。繰り返し弾いた。挑戦した。もう一生、この曲で終わってもいいとすら思った。この曲を極めたい。

 

ところがだ。

当然と言えば当然だが、久しぶりに弾いてみると、思うように弾けないのである。

ヘタクソなりに気持ちのいい部分、というのもあったはずだが、通してモッサリした気分で弾き終わった。

もっと、という向上心が、全く湧いてこない。というか、もうやりたくないぐらいだ。

つまらん。

私はこれに一年かけていたというのか。

アドバイスをくれたふたりのプロはふたりとも、「もう少し身の丈に合った曲をやった方がいい」と言うようなことを非常に繊細なオブラートに包んで言ったが、その通りではないか。なぜこの曲にこんなに費やした。もっと難易度の低い曲を(難易度が低くてもいい曲はたくさんある、とも言われた)、綺麗に気持ち良くたくさん弾いた方が良かったのではないか。

突然猛烈に、失って来たものの大きさを思い知った。私はミルコ・クロコップにケンカを売っていたのか。ミルコは私をあざ笑っていたことだろう。

 

今までほぼ毎日練習してきたので、退化するということがなかったのである。この喪失もショックだ。せっかくここまできたのに。

頑張った経験に乏しいので、挫折も乏しい人間だ。引きこもってハンバーガーを食べながら夜な夜なオンラインゲームに興じたい。

 

一応これまでこういった「課題曲」は、人前で弾くことを最後の仕上げにしていた。

もう今週いっぱいでダンナに聞かせてとっとと終わりにしたい。