「じゃあ行ってきます・・・・・・。」
駅まで車で送り届けると、ダンナは杖をついてヒョコヒョコと出かけて行った。
まさかこんなに早くまたあの杖を使う日が来るとは思わなかった。
ダンナ曰く「突然」足に激痛が走り、そのまま治らないと。仕事の合間に病院に行かれたら行くとのことだった。
「午後半休取ったから、そっちの病院に行く。」とのLINEがあったのは、昼休みの時間帯。ということは、もうすぐ帰って来るのか。
・・・早いな。
私はダンナを試すつもりで、ビールを冷蔵庫に仕込んでおいた。その気があるなら、ここをチェックするはずである。あなた次第、というか決定打はダンナに踏ませたい。
足は、肉離れとのことだった。どうでもいいことだが、肉離れと捻挫と通風でどれが一番痛かったかと言うと、通風だそうな。食べ物に気をつけましょうね。
「念のため、明日は在宅になった。」
「!?」
在宅。
人生は、試練の連続だ。神様はこうやって、私を試す。そして採点し、修行を終えた後に評価をするのかもしれない。
そして私は今度も、簡単に挫折した。あぁまた減点だ。そもそもの持ち点はいくつだったんだろうか。死後、釜茹でにでもなるのか。
決定打もくそもなく、自然な流れで私達はまた飲んだ。「明日は飲まない」という言葉を免罪符にして。
その「明日」は、在宅勤務だ。
在宅だと定時で仕事は終わり、通勤時間もない。これもまた危険な罠である。
「今日は飲まないよ。」
朝起きてまずそう言うと、ダンナは目を大きく開いてニコ~~~~~~ッと笑った。
・・・不安だ。