たった今、父から電話があったんだが、ちょっと何が何だか良く分からなくて・・・・・・。
午前10時にもならない時間だ。こんな時間に向こうからかけて来るのは珍しい。
まずは3回目のワクチンについて、聞かれる。
父はあまり気が進まないようで、お前はどうするのか?と。
私は前回の接種が遅かったので、打つにしてもまだ先の話になる。考えてもいなかった。
迷う父に何を言うべきか。
逆らいません(笑)
ワクチン効かねぇみたいじゃないか。「そうなの?」
なんか評判良くないらしいぞ。「へぇ。」
だからオレほんとやあんまりやりたくねぇんだけどさぁ。「そうだねぇ。」
前に衝突したのは、医者の悪口からだ(笑)私はボヨンボヨンの柔らかいクッションとなる。
結局父はすでに予約は取ってあるみたいで、「仕方ねぇからと思ってんだけど。」と、まぁ観念している様子。
正直なところ、本音を聞かれたところで私には答えようがない。どっちがいいかなんて、結果が出ないと分からないことだ。後悔のないよう、自分で良く考えて答えを出すしかないだろう。
どんなリスクも単なる確率で、それに当たるかどうかは運でしかない。
「それと、今日はオレ、ぽ子にぜひ話しておきたいことがあってな。」
ワクチンの話は、唐突に呆気なく終わった。もしかしたら単なるおまけだったのかと思うぐらいだ。「本題」に備える。なんだ?改まって。
「テレビでやってたんだけど、タイルだ。お前、タイルって知ってるか?あの風呂場の壁とかになってるやつ。」最近はあまり見ませんがね。しかし、タイル?
「あのタイルが、なんとだよ、野菜のクズからできるようになったっていうんだよ!」
「は?」
「それが、物凄く硬いんだってさ。コンクリートなんかよりも硬いって。」
(これが「本題」なのか?)
「で、だ。お前の喜びそうな話なんだが、」
(「本題」か?)
「このタイル、食えるらしいんだよ!お前、好きだろうなと思って。そのままじゃ硬いから、汁に浸してだかしてバリバリ食うらしい!猫のエサなんかよりもいいぞ。」
「え?」
父は嬉しそうだ。
確かに以前、猫のエサは人間が食べられるのか、という話をしたことがあり、レトルトなんかはつまみになるぐらい美味しい(ただし薄味)と言ったことがあった。
父はかなり衝撃を受けていたが、どう考えてもタイルよりマシだろ。
リアクションに困りまごついていると、「じゃあそういうことで、元気でな。さようなら。」と父。この頃長電話に気を付けているようで、いつも電話は急に終わる。私は「面白い話だったよ、お元気で。」と返し、電話は切れた。
不思議な電話だった。
狐にでもつままれたような気持だ。