トトトトト・・・・・・。
トトトトト・・・・・・。
どこへでもついて来る、エル。最終地点で膝に乗る。
どうも猫は、歳を取るほどに甘えん坊になる傾向があるように思う。最近は特にベッタリだ。
言っちゃいますよ。
愛されてます♪♪
こんなに分かりやすい愛情表現を惜しみなく注いでくれるのは、君ぐらいである。なんて太っ腹なのだろう。
駆け引きもない、プライドもない、見返りも求めない、ただ一途に私を愛しているのである。
例え私がどんなにダサい服を着ていようとも、風呂に入らず異臭を放っていようとも、仮に聖書を片手にアダルトビデオを観ていようとも、彼女の愛は変わることはない。これは凄いことである。
仮に私が殺人犯であろうと、何ならエルの母猫をひねり殺していようとも、エルは私を愛するだろう。
私が何者であろうと。
それには彼女が「満たされている」という暗黙の条件があるが、低いハードルである。
二日酔いで半日ぐらいご飯をサボッたとしても、眠くてドアを開けてやらなかったとしても、せいぜい鳴くだけだ、その愛は変わらない。
無償の愛。
それは人間の間でも使われる言葉だが、レベチ、レベチ。
人に理性や欲望がある限り、無償にはなり切れない。
完全無償、それが動物の、猫の、エルの、私に対する愛なのである。
そんな無償の愛が、今私の膝に乗っている。
一日はまだ始まったばかりだというのに、これ一体どうしろと・・・。