人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

死の淵へ

苦しい。息ができない。

私は混乱した。

布団の中でもがきつつ、コロナの恐怖がよぎる。「死んだ方がまし」というほどの苦痛。まさにそれだ。このままずっと息ができなかったら、私もそう思う事だろう。

苦しい。苦しい。それだけで頭がいっぱいだ。コロナの重症化とはこういうことか。頑張れもクソもない、もう勘弁してくれ、それだけである。

ガバッと体を起こす。

息はできたが、相変わらず激しい不快感がまとわりついていた。

呼吸ではない。それは口の中だった。

口を開けて寝ていたらしく、口内はすっかり乾ききっていた。

なんとか潤そうと思うのだが、乾ききって少しの唾液も出ないのである。

喉を鳴らそうにも飲み下すものがないので、激しい渇望感だけが空回りする。

自分の体が思うようにならない不自由は、恐怖を生んだ。

混乱した頭がやっとその片隅で「単にアホヅラかいて寝ていただけ」ということに思い当たると、枕元の水を口に運ぶ。毎晩クスリを飲んでいるので、ここにあったのだ。こんな時には酸素吸入器ほどのありがたさである。

それを少しずつ、ゆっくりと飲み下していく。

はぁびっくりした。ほんと死ぬかと思った。口開けて寝てただけだが。

しかし強く思った。

絶対にコロナで重症化になんかなりたくない!!

口が乾いただけであの騒ぎである。またあんなんなったら私はいとも簡単に死を望むだろう。

コロナなんて怖くないという方。ぜひ鼻を塞いで寝てみてください。重症化の練習できますよ。

は~、ブリーズライト買ってこよ・・・。