人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子53歳。

 

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エルのダンスパーティ

エルをダンスパーティに誘ったのだ。

オールディーズを踊るパーティで、みんなコスプレさながらお洒落してやって来るのである。私はエルにも、しっかりおめかししてくるように、と言っておいたのだ。

初めてのダンスパーティ。エルはとっても楽しみにしているみたいだ。その日を指折り数えていた。

ところがその日、エルはなかなか現れなかった。

Rock around the clock。

At the hop。

名曲が次々かかり、私は待ちきれずに踊り出す。

何枚もペチコートを重ねて膨らんだフレアスカートが広がる。ポニーテールが大きく揺れる。

すっかり夢中になって忘れていた、エルはどうしただろう?

私は踊りの輪から外れると、小さなエルを探す。

いかんせん、猫だ。この混雑で見つけ出すには困難を極めた。

踏んずけられてなければいいが。ちょっと心配になってきた。

すると、ちょっと様子のおかしい人達を見つける。

彼らは一点を見て、笑いをこらえているようだ。踊ってはいるが、すっかりそっちに気を取られている。

嫌な予感。

彼らの目線の先に、エルはいた。

あろうことか、うちわを腰にねじり鉢巻きというスタイルで、Be-Bop-A-Lulaを踊っていたのである。

その踊りは、ドジョウすくいであった。

周りに笑われていることにも気づかず、必死の形相である。

「エル!!」

いたたまれず呼ぶと、エルは満面の笑みをたたえて走り寄ってきた。

「ママはもう疲れちゃったから、帰ろうか。」抱き上げると「エウも疲れたから帰るね。」と言って大人しく目を閉じた。ニコニコして、とても満足そうな顔。

家に帰るとエルは、うちわと鉢巻を宝箱にしまっていた。

忘れていた。このうちわと鉢巻は、死んでしまった姉さん猫が長年使っていたものだった。

もうボロボロだったので一緒に棺に入れようとしたところ、エルが遠慮がちに「それ欲しい」と言ったのだ。ずっと欲しかったようである。

エルはうちわを丁寧にパンパンとはたき、鉢巻を綺麗にたたんで宝箱にしまった。

今度は盆踊りに連れて行ってあげよう。