とうとう最後の一万円に手を付けてしまったのだ。
専業主婦になってから、早10年。
当初は家が片付いたらまた仕事をするつもりでいたが、10年経っても片付いていないということだ。
いわゆる専業主婦のサイクルが定着してしまった。
現状で精一杯なので、もうあの生活に戻れる気がしない。
仕事をしていないから、給料も発生しないのだ。小遣いは貰っているが、自由に使えるお金は激減した。
そんな中、ダンナの義父母が誕生日に包んでくれるお金は、貴重な収入源となっていた。
その習慣も、義父の退職を機に、なくなってしまったのだ。なので大切に温存してきたのだが、とうとう最後の一万円に手を付ける日が来てしまったのである。
主に使い道は、洋服だ。
そう頻度は高くなかった。欲しいと思う服がないのである。
恐らく私の流行りは若い頃のまま止まっており、世の中の流れについていかれなかったらしい。
数年前にお台場で、私のようにパーカーを着ている人間が皆無であるのに気づいたことがある。
大きなロゴとパーカー。ミリタリースタイル。
いつの時代にもあるにはあるが、流行りとは別にある少数派であった。女性に限ってはほとんど見かけることがなかったのだ。
ところがである。
流行りが一周したのか、80年代スタイルが蘇りつつある。パーカーが帰って来たぞEE:AEB30
こうなると欲しい服ばかりだ。
これまでバーゲンなどどうでも良かったが、最後の一万円を専用の財布に突っ込み、大型ショッピングモールに繰り出す。
お気に入りの店もできた。
4000円のジャケットが欲しかったが、買ってしまったらもう半分しか残らないのだ。
待てば安くなるだろうか。
1500円のチェックのパンツを買って帰る。
チェックだよEE:AE482待ってましたである。これにパーカーを合わせるのだ。
こうして52歳が、18歳の頃着ていたような服を着ている。
お気に入りの店は、WEGOだ(笑)
子供の服を選ぶような体で買って来たよEE:AEABF