人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

福を逃す。

私もダンナも酒飲みだからか、あまり甘いものを食べない。

しかし糖質制限をしているからか、この頃は時々猛烈に食べたい欲求が沸き起こるようになった。

先日は山を登った後に、その波が来たのだ。

山を下りて駅に着き、電車が来るまでフードコートで飲んでいた時のことである。

舞茸の天ぷらと玉こんにゃくなどをつまんでいたのだ。ここまで来ても、糖質を意識してしまう。

ところが良く冷えたビールを飲みながら実は私には、頭を離れないものがあった。

フードコートに着くまでに、お土産屋さんを通って来たのである。

電車の時間も迫っているし、用のない場所であった。

そこでチラリと見えた、

大福。

大福だ、そんなものを過去に食べたのは、いつのことだったか。大福。

大福だぜEE:AEB2Fと自分に突っ込みながらも、私はその欲求に抗うことができなかった。

それを手に取ってみる。

モッチリとした皮の中に、たっぷりとたたえられているであろうアンコ。

それは「ちちぶ餅」という、ここでしか食べられないご当地名物であった。

バラで売っていたら迷わず買ったところだが、そこには2個か3個のセットしかなかったのだ。

先を歩いていたダンナがどんどん進んでしまったので、諦めてそれを置いてダンナの後を追ったのである。

ビールを飲みながら、スマホで大福の糖質量を調べてみた。

参考までに、糖質制限中の一食の糖質量は、20g~40gとされている。その他に、一日に10gまでのおやつは良しとのことだ。

そして私は大福の糖質量を見てぶったまげてしまった。ものにもよるだろうが、1個50g弱

あんな小さいの1個で、軽く一食分を越えてしまうのである。

だ、大福はダメだ、危険である。せめて他のスイーツでこの糖質欲求を何とかできないものか。

そのテーブルからごく近い場所で、シュークリームを売っていた。

糖質不足である、呆気なく今度はそっちに寄せられた。

次はシュークリームの糖質量を調べる番だ。

これまたシュークリームと言っても色々あるが、そのお店に似たタイプのものを参考にした。

皮はガリガリッと厚くて硬いクッキータイプ、中には生クリームがたっぷり入っている。こりゃシュークリームの中でも特別ヤバげなり。

「あれ?」

ところがこれがなんと、26gしかないのである。ふたりで分ければたったの13gだ。

ちちぶ餅の3倍はあろうかというサイズだ。答えは出た。

私達はこのシュークリームをひとつだけ買って、帰りの電車の中で分けて食べたのだった。

美味しかった。

こういうのを反動というのだろうか。

制限もほどほどにしないと、恐ろしいことになりそうだ。