私もダンナも酒飲みだからか、あまり甘いものを食べない。
しかし糖質制限をしているからか、この頃は時々猛烈に食べたい欲求が沸き起こるようになった。
先日は山を登った後に、その波が来たのだ。
山を下りて駅に着き、電車が来るまでフードコートで飲んでいた時のことである。
舞茸の天ぷらと玉こんにゃくなどをつまんでいたのだ。ここまで来ても、糖質を意識してしまう。
ところが良く冷えたビールを飲みながら実は私には、頭を離れないものがあった。
フードコートに着くまでに、お土産屋さんを通って来たのである。
電車の時間も迫っているし、用のない場所であった。
そこでチラリと見えた、
大福。
大福だ、そんなものを過去に食べたのは、いつのことだったか。大福。
大福だぜEE:AEB2Fと自分に突っ込みながらも、私はその欲求に抗うことができなかった。
それを手に取ってみる。
モッチリとした皮の中に、たっぷりとたたえられているであろうアンコ。
それは「ちちぶ餅」という、ここでしか食べられないご当地名物であった。
バラで売っていたら迷わず買ったところだが、そこには2個か3個のセットしかなかったのだ。
先を歩いていたダンナがどんどん進んでしまったので、諦めてそれを置いてダンナの後を追ったのである。
ビールを飲みながら、スマホで大福の糖質量を調べてみた。
参考までに、糖質制限中の一食の糖質量は、20g~40gとされている。その他に、一日に10gまでのおやつは良しとのことだ。
そして私は大福の糖質量を見てぶったまげてしまった。ものにもよるだろうが、1個50g弱。
あんな小さいの1個で、軽く一食分を越えてしまうのである。
だ、大福はダメだ、危険である。せめて他のスイーツでこの糖質欲求を何とかできないものか。
そのテーブルからごく近い場所で、シュークリームを売っていた。
糖質不足である、呆気なく今度はそっちに寄せられた。
次はシュークリームの糖質量を調べる番だ。
これまたシュークリームと言っても色々あるが、そのお店に似たタイプのものを参考にした。
皮はガリガリッと厚くて硬いクッキータイプ、中には生クリームがたっぷり入っている。こりゃシュークリームの中でも特別ヤバげなり。
「あれ?」
ところがこれがなんと、26gしかないのである。ふたりで分ければたったの13gだ。
ちちぶ餅の3倍はあろうかというサイズだ。答えは出た。
私達はこのシュークリームをひとつだけ買って、帰りの電車の中で分けて食べたのだった。
美味しかった。
こういうのを反動というのだろうか。
制限もほどほどにしないと、恐ろしいことになりそうだ。