月に一度の病院の日だ。
眠剤の断薬を目指しているのだが、まだ今は他の薬への移行段階である。
まずはすっかり出来上がってしまった身体的依存を断つために、一時的に他の薬へ移行。
これが安定したらいよいよ断薬である。
移行は、2段階。
第一段階は、良く効くがこれもまた依存性のあるもの。
次には依存性の低い安全なものへ。
今はこの第二段階に移行中で、相性のいい薬を探してあれこれ試しているところだ。
あれこれと言っても、病院は月に一度。
薬に慣れるまでそれなりの期間も必要なことを考えると、そうスピーディにはいかない。
最初に試した「ベルソムラ」は、眠気が強いくせに眠れないという拷問薬になっていたので、同じ系統の新薬を試している。
薬によって効き目も効いてくるまでの時間も違うから、この辺のいい塩梅を探すのに苦労する。これが「慣れるまで」に含まれるのだ。
また、効き方。
ドカンと来る奴は、たいがい反動で眠れなかったりする。
矛盾しているのは、私の精神的なものだろうと思われる。強い睡魔はどこか恐怖な部分があるのかもしれない。強い分だけ緊張する。
一度イナズマのような軽い幻覚と金縛りのコンボに合ってからは、ますます慎重だ。ちょっとでも効きすぎると感じたら、飲む量は減らしてしまう。
しかし減った分だけ効き目は落ちるので、今度は不眠の不安が出て来る。
それでも効き目が強かろうが弱かろうが、続けていると慣れて来るものだ。
緊張が減り、眠れる時間が増えるにつれて、薬との信頼関係ができていく。
その上でどれほど効果を示してくれるのか。
今それを計っている。
現状、ぐっすり眠れるのは深酒オンリーだ。
病院に行ったことでかえってこじれているみたいだが、この先に「薬の力を借りずに眠る」という希望があるのだ。苦痛ではない。
だから、通院ですら楽しみなのである。
きっと先生が何とかしてくれる。私がすがっている教祖だ。
朝までノンストップで眠れる日が来ますよう。