ボイトレに行って来たのだ。
個人レッスンは3、4年ぶりになるだろうか。
歌はもう、やめたつもりだ。ボイトレに行ったところで何になるという迷いはあった。
しかし私の中で「歌」はまだまだ勉強中のままで、この先が見たいという欲求があった。
いずれアレンジで宅録のようなことをやっていくつもりなのだ、いつかは自分でそれを歌いたい気持ちも大きい。
その時に、勉強中・未完成の納得いかない歌にしたくない。
まぁ結論は置いておいて、迷うならまず行こうと思ったのであった。
えつさんのボイトレは、2度目だ。
合唱の指導もしていたので、私の欠点は良く分かっていた。
まるで、医者である。
声を聞くだけで、悪いところが分かってしまう。
自分でも「あ、今のちょっと」と思った時は、すぐにえつさんには分かるのだ。そして、「こうしてみて」と「処方」する。
すると不思議なことに、次はスーッと声が出るのである。まるで魔法だ。
まぁ問題だらけの私の歌だが、中でも「息が続かない問題」は長いこと患って来た。
これもやはり、発声だった。物理的にできないのではない、出し方である。
正しい発声になっていれば、どこにも負担はかからず気持ち良く声が出ることを実感した。
私に残されている可能性。
もっと上手くなれる余地があるのだ。
もちろんそれは単なる領域の問題で、努力なくして結果は出せないだろう。
しかしここに、手を引いてくれる人がいたのだ。
もう少し、先が見たくなった。
もう少し、挑戦してみたい。
今はまだ具体的な目標はないけど、
今はまだ目標は欲しくない。
ただ、歌うためだけに。