「こんなんだったら飲まないで眠れない方がよっぽどマシ」と言った眠剤「ベルソムラ」だったが、結局私は飲み続けた。
これに移行できれば、断薬に一歩近づけるのである。また、新しい薬には、慣れるまで時間が掛かることもある。ことこのように、精神的な部分が影響しやすい薬には。
とはいえ、あまりにも作用も副作用も強すぎるので、半分に割って飲むようにしたのだ。
そのぶん効き目も半分になったが、悪くはなかった。
効き目は足りないながら、何となくベルソムラとの信頼関係が築けている、そんな感じだ。
それにより、寝る時の緊張感が少しずつ減り、それによって少しずつ効果も引き出せてきているみたいであった。
「悪夢を見る」という副作用だが、私には無縁に思われた。悪夢のもとになるような心理状況にないからである。
うつや不安からきている不眠ではない。強いて言うなら、不安のもとは不眠だ。
ところがどうも、夢見が悪い。
まだこの薬の飲用は、移行期間なので週に1度か2度程度しか飲んでおらず、なかなか気づけなかった。
しかし確信した。クッキリとしたリアルな夢だ。
命に関わるような緊張感。目が覚めた時の安堵。
ときに、寝る前のゲームは刺激が強いというので、私はゲーム後に本を読むようにしていた。
ところが今やっているゲームは面白くてなかなかやめられず、いつの間に寝るギリギリ前までプレイするようになっていたのだった。
戦場に潜入してミッションをクリアしていくゲームだ。
あぁ、これかEE:AE4E6なるほど、確かにそんなような夢だった。
何度も目が覚めてはグッタリして消耗するので、また読書習慣を取り戻すことにしたのだ。ビートルズの本を読んでいる。デビュー曲から1曲ずつ、曲の解説をしている本だ。
読み始めると、自然と頭の中ではその曲が流れて来る。
ミズリー。
アンナ。
チェインズ。
よし、この勢いで寝るぞ。
ところがベッドに横になると、ゲームを思い出してしまうのである。
あの場面。く~、あの敵、手強かったよなぁ、良くやった、自分EE:AEB30
あそこの敵は、もしかしてもっとこうすれば良かったのかも??今後似たような場面があったら、試してみよう。
あの時はどうなるかと思ったけど、何とかなったなぁ。怖かったEE:AE5B1
・・・・・・などと、思い出に耽っているのである。
私にとってゲームは、架空であっても実体験だ。高尾山を登るのと同じである。
このブログのゲームトピも、誰からの反応もなく「誰得?」なトピに見えると思うが、これは私が思い出として記録しているのである。時々読み返しては、懐かしむために。
ということで、ビートルズによる上書きには失敗した。
ゲームをやる時間帯を変えてはどうかというアドバイスもあったが、日中に入れてしまうと止め時が難しい。一日の終わりにやるからこそ、やるべきことを侵害していないという安心感があるのである。
ベルソムラを常飲している人の、悪夢にも慣れるという話もあった。
私もいつか、慣れるのだろうか・・・。