人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

父の意外な告白

あっ・・・・・・・、忘れてた、電話・・・。

週に一度の父への電話デー。

漠然と水曜日前後としているが、いつも忘れて木曜日か金曜日になってしまうのだ。たまに水曜日にかけると、「どうした、この間かけてきたばかりじゃないか」などと言われたりして。

思い出したのがもう夜だったので、スケジュール外の時間だ。あまり気持ちに余裕がない。

電話を取った父は食事中だったらしくモゴモゴ言っていたが、構わず怒涛のように喋り始める。

「いや~、今日歯医者行ったんだけどな、これがもうほんとダメなんだよ~EE:AE482

まぁ聞けば真っ当な愚痴ではあるが、まぁ愚痴だ(笑)

つくづく母も晩年は、歯と腰と「もうダメだ」が多かった。全く同じ流れである。

特に父は一度不信感を持つと全てが受け入れられなくなるので、ダメ出しの嵐だ。

そして「そのうちみんなで集まろう」という社交辞令なような言葉が出ると電話も終わりに近づくのだが、このご時世だ、「そのうち」は来るのだろうかという話になる。

感染者数は220人を突破したところであった。父のダメ出しは、こちらへ向かった。

市長?知事?あいつぁダメだ、本当に今の政府は。

私は政治に関してあまりコメントはしないようにしているが、これだけは言いたい。

それぞれの言い分はそれなりに正しい部分もあろう。

しかしだ、文句を言う人は文句を言うだけで、結局「じゃあどうする」というところは政府に丸投げしているように感じるのだ。

給付金出せ、警戒宣言出せ、活動させろ、活動させるな・・・。

声を上げて動く事案もあろうから、文句の発信も必要だとは思う。が、単純にもうお腹いっぱいじゃ、小池ちゃんも気の毒である。

「それでもみんなで選んだ知事なんだし、小池さんについていくより他ないでしょ?腹決めて信じていこうよ。」

こと政治の話になると、熱くなるという人がいる。だから私はコメントを避けているのだが、父もまたそのような人の一人であった。何を言っても無駄だと思ったが、もう早く話を終わらせたかったのである。

「ぽ子。これを言うと怒られそうなんだが・・・。実はオレ・・・・・、」

意外や父は声のトーンを落として続けた。

「選挙行ったことねぇんだよ。」

EE:AEB2FEE:AEACA

いや私もそんな熱心な方じゃなかったが、それでもだよ、あなたずいぶん吠えてた割には・・・・・。

ハハハハハ、と父は照れ臭そうに笑い、「まぁまたみんなで集まったら、楽しい話をしようなEE:AE482」と締めくくった。

うん、もう楽しい話だけしようよね。

私もそう言った。