あんまり詳しくはないんだが。
例えば蟻。
あんなに小さくても、たくさん集まって社会ができている。
きっとそれぞれに役割があって、淡々とそれをこなし、彼らの小さな社会を形成しているのだろう。
人間社会のほんの片隅にいる、小さな小さな世界だ。彼らには私達の存在すら、知る由もない。
彼らは何も知らない。その社会がどんなに小さなものか。そしてそんな社会は人間の掌の中にあることを。
数学も、文学も哲学も医学も、ありはしない。ただ役割を果たし、生き、短い人生を終える。そのはかなさすら知りはしないまま。
哀れだ。
精一杯生きているのに、彼らは何も知らないのである。世界はそんなに狭いものではない。
しかし、最近ふと気が付いたのだ。私達だって、全てを知っている訳ではない。むしろ、大切なことは全く分からないままである。
私達はどこから来て、どこへ行くのだろうか。
なぜ、この世に生まれてきたのだろうか。
こんなの重要なことなのに、それには触れない。
考えても分からないからだ。諦めている。
蟻の社会に限界があるように、これが人間社会の限界なのだろうか。
こんな人間社会を遠くで俯瞰している存在があるとしたら、私達の世界など蟻なのかもしれない。
気の毒に、彼らは何も知らない。
こんなに科学が発展しても、人類が進化しても、所詮そこまでなのだ。
飼育ケースならぬ地球という丸いキットの上で生活する、人間達。
まるで世界を掌握したような気持ちになっているが、本当は何も分かってなんかいない、小さな小さな社会で虚勢を張っているだけなのかもしれない。
1年が、1分が、1秒が、長いのか短いのか分からないが、人の一生なんて結局儚いものだ。
それでもこんな風にしか生きられない私は、本当にクズだと思う。
ひたむきに生きる蟻よ、君たちは頑張っている。
せめて私は、その社会を守りたいと思う。
この世の中にある、小さな世界のすべてを尊重していきたい。
しかし、ゴキブリどうすっかのーEE:AE5B1