人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

オヤジのパルミジャーノ・レッジャーノ

なぜなのか(笑)

うちの父は、まるで洒落っけのない昭和のオヤジだ。

デロデロに伸びたステテコ姿でウロウロし、大イビキをかいて眠り、大声で喋るのでひんしゅくを買う。デリカシーがなく、品もない。清潔感もない。

しかしなぜか、「食」に関してだけは、洒落たこだわりがあるのだ。

料理が好きで、どこかで美味しかったものなど食べて来るとそれの再現をする。

レシピを見て作ることはなく、「ちょっとこれをこうしてみた」という創作が多い。

それは主にイタリアンテイストなもので、グリーンサラダにくるみとチーズの切ったものをまぜ、味付けはポン酢にオリーブオイル。

くじらの刺身のカルパッチョ。

ベランダで育てている花を添えてみたり、こだわりのお皿に盛りつけたり。

必ずちょっと美味しいパンを出し、最後にコーヒーなんぞ用意したりする。

これはお洒落などの方面から来ているのではなく、食いしん坊であるからに他ならない。

不思議なギャップだ。

この労力を少しばかり身の回りのことに使えたら良かろうに。

こんな父は、いつも別れ際に手土産を持たせてくれるのだ。

なぜかいつも、パンとチーズ(笑)

パンはとにかくチーズは大きな塊で、どうやって食べたらいいのかが分からない。

そんなんで冷蔵庫には、賞味期限の切れたチーズの塊がたくさん入っている状態であった。

ここまでリミットを過ぎてしまったらもう、1ヶ月も2ヶ月も変わらんばい。

処遇に困ってしまい、逃げ、それは動かぬまま冷蔵庫を定位置としてしまっていた。

いつかは向かい合わねば、これを全部捨てることになってまうだろう。というか、もはやその時期に来ているのかもしれない。

そう思うとなおさら向かい合えず、ついに半年を過ぎてしまった。

とうとう意を決して、開封したのである。

真空パックだったのが幸いしたか、匂いに異常はない。これはイケるかも。

その晩は、パスタにした。

ソースにもいくらか混ぜておいたが、食べる直前にすりおろして載せる。

おおEE:AEAABチーズの香りが広がる。

いや~~~~~~、絶品ですわEE:AEB64

口の中で溶けるチーズ。深いコク。賞味期限知ったことか。

それからやたらと削りチーズをかけているが、これを知ってしまったらクラフトの粉チーズなどやってられんぞ。

ちょっとお高いが、そのぶん量はたっぷり、日持ちはするし(させるのである)、なにしろこの旨み。

ナイフで切り落としながらクラッカーと食べるも良し。

そのまま食べるなら赤ワインでいくが良し。

超絶オススメだ。

ぜひお試しあれ。

ある日の父の食卓。この後にさらにメインが現れるのだ。

まず油で曇ったコップを洗うのが、私と兄の仕事である(笑)