この頃、シャレにならんことをやらかしてばかりで参っていた。
やらかした側が「参った」というのも憚れるのだが、もうほとほと自分が嫌になる。
生きづらい世の中だ。
少なくとも「彼」には、そんな気持ちが通じていたのではないだろうか。
彼の身の上にも、色んなことが起きていた。
そしてその原因を自分一人で背負おうとしていた。
そうすることでしか、生きられない。
そんな気持ちを共有することに、小さな救いを感じる。
森の奥深くで隠れるように過ごしながら、本当は誰かに自分を見つけて欲しい。
そう願うほど、森の奥へ奥へと引っ込んでしまう。
誰も見つけてくれないことに、耐えられないのだ。
だから自ら、隠れてしまう。
森の中で、彼を見た。
彼は、「そんなに悪い場所じゃないよ。」と言って笑った。
あの笑顔は本物なのだろうか。