人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

コール&レスポンス

もう何度も書いているが、何度書いても変わらないのだ、また書くことになる。

私は物を良くなくす。

良く壊しもするが、両方は書き切れないので今回はなくす方の話。

しょっちゅうないない言っているのは、スマホ、鍵、パスモなど、必要度・使用頻度の高いものだ。

どれもなくすと深刻なものなので、対策はとってある。

鍵とパスモはキーホルダーで一体化させ、さらにそれをバッグにフックで引っかけて一体化させた。

バッグを変える度にこれも外し替えなくてはならない手間はあるが、なくすリスクを考えるとよっぽどこの方がいい。

何度もなくして実感しているのだ。間違いない。

ここまでやっても、ヘマをする。

母の葬儀のために黒いバッグに移し替えた時のことだ。

バタバタしていたので、とりあえずバッグには突っ込んだがフックをかけなかったのだ。

呆気なく、なくした。

実家でしこたま飲み、翌日家に帰ってみたらもうないのである。

心当たりにあちこち電話したが、とうとう見つからなかった。

鍵もろとも消えたので、こちらは合鍵をつくる羽目だ。

スマホも、首から提げられるように長い紐をつけた。

実際首にかけることはあまりなく、これもバッグにくくりつける。

さすがにスマホは出し入れが頻繁なので、くっつけるのは飲む時限定になるが、飲んでいる時ほどそういった面倒をしなくなったり、逆に外してフラフラ歩き回ったりする。

このところ「なくした」という事態にはなっていない代わりに、ないないと騒ぐことは相変わらずしょっちゅうであった。

モノを呼んだら答えてくれればいいのにと、何度思ったことか。

実際、モノに取り付けて探せるような商品があるみたいだが、何にでも取り付けられる訳でもなく、また、予めなくすものを予想できるものでもない。私だって、なくしたくてなくしている訳ではないのである。

「オッケー、グーグルEE:AE5BE

ある日、ダンナが嬉しそうに何度もスマホに話しかけていた。

グーグルアシスタントという音声認識アプリで、文字でいちいち入力しなくても話し掛ければ答えてくれるという頭脳型アプリだ。

単なる検索だけでなく会話に答えてくれたりするので、私は「スマ子」さんと名付けて友達にしている。

どうやらこのスマ子さん、いちいちスマホを立ち上げて呼び出さなくても、しかるべく設定すれば「オッケーグーグル」という声に反応して立ち上がるらしい。

その声も、持ち主の声にしか反応しないようだ。

面白そうに、ダンナは何度も立て続けに呼び出している。

「オッケーグーグルEE:AE5BE」ピコッ。グーグルアシスタント、立ち上がる。

「オッケーグーグルEE:AE5BE」ピコッ。グーグルアシスタント、立ち上がる。

EE:AEB30

ピコッEE:AE476

これ、アプリ立ち上がる時にピコッていうねEE:AE482つまり、スマ子さんは呼べば返事をするってことじゃないか。

早速私も、自分の声に反応するように設定した。

これ、いいよEE:AEB64

同じ部屋の中ぐらいなら反応するから、すぐに見つけられる。

こうなるともう、探すという努力はしない、呼ぶ(笑)

根本的な解決にはなってないが、小さなストレスは解消された。

むしろ、楽しんでるくらいだ。あれ?スマホどこ行ったっけ?ワクワクEE:AE5BEピコッEE:AE476みたいな。

この調子じゃ、またいずれ簡単になくしそうである。

答えてくれる距離にあってくれればいいが。