人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

営業マンと対決する。

ちょっと前のことになるが。

インターフォンが鳴ったのでモニターを見ると、お世話になっている自動車ディーラーの営業さんが立っていた。

反射的に、声が硬くなる。

この人EE:AE4E6

新しく担当が変わってから挨拶に来て、今日に至る。

悪い人じゃないんだが、不器用で頼りがない。

挨拶と称してその後もちょくちょくやって来ては、「お車の具合はいかがですか」などとお伺いを立てに来ている。

営業の一環だろうが、具合が悪けりゃこっちから行きますって。

車検に出した時にも、不具合があったことには「伝えておきます」としか対処せず買い替えを勧めたり、下取りの見積もりを出させてほしいと2回もやってきたり。

見積もりはこないだやったじゃないか。一万とか千円とかいくらにもならないって、それを何でまた?と言うと、これも何やら他にいないからかなんか言って、つまり本人のノルマの問題のようであり、知るかよ、である。

結局アホらしいが気の毒なのでもういちど見積もりを出してもらったが、車の鍵を開けっぱなしにして帰って行きよった。

これにて決定的に、心象が悪くなったのだ。

あんたは私を客(ノルマ)としか見ていない。ならあんたはただの営業だ。恩も義理もない。

で、そんな彼がまたやってきたのだ。私はぶっきらぼうに「はい」とだけ答えた。

気の弱そうな彼はそれだけでたじろいだのか、お店がお盆休みに入ります、とだけ言って帰って行った。

それだけのためにわざわざ来たとは思えない。本来は何やら営業活動をするところだったのではないか。

塗装のハゲた下取り一万の車だ、いいカモである。

しかし私が鬼のように立ちはだかっている限り、君のような気弱な営業君の付け入る隙などないのである。

その後、家の電話の着歴を見たら、ここ数週間の間にディーラーから怒涛のように着信が入っていた。

なにEE:AEB2F何か用があったんじゃないのあんたEE:AEB2F

そしてやがて、営業さんから封書が届いたのであった。

この中に、本命の仕事が入っているのだろう。

買い替えか?キャンペーンとかなんとか?

点検??

それにしても、あのしつこさだ。どうしてもやらなくてはならない仕事だったのだろう。

優しさが仇になって、押しが弱い人だ。

きちんと仕事をしてくれるのなら、もうちょっと頼り甲斐があるなら、もしくはもっとサービス精神があったりすれば、私だってこんな門前払いを食わせたりしない。実際最初のうちは何度も付き合ってやった。

その結果がこれなのだ。

そんなことを考えながら封を切ると、一枚の紙が出てきた。

そこには粗い印刷で、「暑中お見舞い申し上げます」とだけ、大きく書かれていた・・・・・・。

これも営業の一環なのだろう。

不器用な人である。

私は思い切り脱力した。