人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

汚名返上。か?

相変わらず、何の目標も達成しない毎日である。

思えば子供の頃は良く母に、「サッサとしなさい!」「グズ!」と言われたものである。

本当に良く言われた。

あまりにもいつも言われているので、私には「グズ!」程度の罵倒など小鳥のさえずりのようなものであった。

しかし今、親になって思うが、子供とは言えなかなか人に向かって「グズ」とは言えん。

私も何度も娘ぶー子にブチ切れしたが、罵るようなことは言ったことがない。

いや、母が悪いのではなく、私がそれほどにグズだったのだ。

それは間違いない。

学校は、小学校の時から毎日のように遅刻していた。母も諦めていた。

まず、朝起きれない。

もちろん何度も起こされるが、さすがに布団から引きずり出しはしないので、私が観念するまで起きることはないのである。

私だって、遅刻は嫌だ。

みんな席について静まり返った中、遅れて入る気まずさ。

いつもその時は後悔するのだが、朝になると眠くてそんなことなどどうでも良くなってしまう。

そこへきて、グズだ。

毎日玄関で友達を待たせ、その挙句、先に行ってもらう。

私はまだ口にパンを頬張りながら、走って学校に向かう。吐いたこともある(笑)

それでも、改心しない。

学校なら、恥をかくのは私だけだからまだいい。

家族で出かける時の母は、さすがに容赦がない。

グズ!のろま!サッサとしなさい!何やってるの!

不思議なことに、そう言われても焦ったような記憶がないのだ。

もうそれ以上、私には急ぎようがないのである。

なぜなら私は、「動きが遅い」のではない。

脱線するから時間がかかっていたのである。

ということに、今気がついたのだ。

相変らず私は脱線している。そのため、何事をもやり遂げずに終わる毎日であった。

そして相変らず出掛ける時は、いつも走っている。

お母さん、私はグズと違いますよ。だから何も響かなかったんじゃないですかね。

胸張って言うが、私は真っ当な「脱線バカ」だ。グズではない。

こうしてパソコンに向かいながらも、爪を切ったり猫をいじったり空想したりと、真っ当に脱線している。

まっすぐ進むことの難しいことよ。

母が生きていたら、まだ私をグズと叱るだろうか。